)” の例文
寂寞ひつそる。かはづこゑやむだを、なんと、そのは、はづみでころがりした服紗ふくさぎんなべに、れいりつゝ、れい常夏とこなつはなをうけようとした。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
曾我十郎の歌は、「今日出でて巡りあわずば車のこの輪のうちになしと知れ君」とあった。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かれその國主こにきしの子心奢りて、りしかば、その女人の言はく、「およそ吾は、いましになるべき女にあらず。吾がみおやの國に行かむ」といひて、すなはちしのびて船に乘りて、逃れ渡り來て
地震ぢしんも、やみらしいので、風上かざかみとはひながら、模樣もやううかと、中六なかろく廣通ひろどほりのいちちか十字街じふじがいると、一度いちどやゝ安心あんしんをしただけに、くちけず、一驚いつきやうきつした。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)