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小止
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をや
ふりがな文庫
“
小止
(
をや
)” の例文
丁度
梅雨
(
ばいう
)
の時節、幾日となく降りつゞいた雨がふと其日の
午後
(
ひるすぎ
)
に
小止
(
をや
)
みした。
夜
(
よ
)
の明けたやうに、パツと流れて來る日の光の強さは、もうすつかり夏である。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
平中は耳を
側立
(
そばだ
)
てた。
成程
(
なるほど
)
ふと気がついて見れば、
不相変
(
あひかはらず
)
小止
(
をや
)
みない
雨声
(
うせい
)
と一しよに、
御前
(
ごぜん
)
へ詰めてゐた女房たちが
局々
(
つぼねつぼね
)
に帰るらしい、人ざわめきが聞えて来る。
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
六月の末、もう
梅雨
(
つゆ
)
にかかつてしよぼ降る雨の
鬱陶
(
うつたう
)
しい日が幾日となく續いた。それは或る金曜日の第三時間目で、その日も
小止
(
をや
)
みない雨に教室の中は薄暗かつた。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
彼の
小止
(
をや
)
みなき生のかたはらには、右側にも左側にも、有力な證人が控へて居つたとは云へ。
モオリス・ド・ゲラン:「そしてこの稀有で、偉大で、しかも果敢ないもの、一個の詩人」
(旧字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
彼等は
呪
(
のろ
)
はれてゐる者のやうに
戦々兢々
(
せんせんきようきよう
)
として居た。その上に、ランプの焔がどうした具合か、毎夜、ぽつぽつと
小止
(
をや
)
みなく揺れて、どこをどう直して見ても直らなかつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
十
時
(
じ
)
を
過
(
す
)
ぎた
頃
(
ころ
)
、
一呼吸
(
ひといき
)
吐
(
つ
)
かせて、もの
音
(
おと
)
は
靜
(
しづ
)
まつたが、
裾
(
すそ
)
を
捲
(
ま
)
いて、
雷神
(
はたゝがみ
)
を
乘
(
の
)
せながら、
赤黒
(
あかぐろ
)
に
黄
(
き
)
を
交
(
まじ
)
へた
雲
(
くも
)
が
虚空
(
そら
)
へ、
舞
(
ま
)
ひ/\
上
(
あが
)
つて、
昇
(
のぼ
)
る
氣勢
(
けはひ
)
に、
雨
(
あめ
)
が、さあと
小止
(
をや
)
みに
成
(
な
)
る。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
せうことなしに雨はふる、ふりそそぐ、何時までも何時までも
小止
(
をや
)
みなく……
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この二三日前からといふもの、村中のありとあらゆる木といふ木が、殆ど
小止
(
をや
)
みもなしに落葉しつづけてゐます。もう一週間もしたら、本當にこの小さな村はすつかり裸かになつてしまひさうな位。
七つの手紙:或女友達に
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
風塵しばらく
小止
(
をや
)
み
駱駝の瘤にまたがつて
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
揺れあがる一つ
火
(
び
)
蛍
(
ほたる
)
息つかししとどの雨か降り
小止
(
をや
)
みたる (六六頁)
文庫版『雀の卵』覚書
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
路をさし
挾
(
はさ
)
んだ
篠懸
(
すずかけ
)
も、ひつそりと黄色い葉を垂らしてゐる。
仄
(
ほの
)
かに霧の懸つてゐる
行
(
ゆ
)
く手の
樹々
(
きヾ
)
の
間
(
あひだ
)
からは、唯、噴水のしぶく音が、百年の昔も変らないやうに、
小止
(
をや
)
みないさざめきを送つて来る。
東洋の秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雨は
小止
(
をや
)
み草山なだりさみどりなり日本の村へ一気にすべる
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
戰
(
いくさ
)
、
小止
(
をや
)
み。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
戦
(
いくさ
)
、
小止
(
をや
)
み。
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
止
常用漢字
小2
部首:⽌
4画
“小止”で始まる語句
小止観