みちびき)” の例文
汝今よく知りぬらむ、世のよこしまになりたる原因もとは、汝等の中の腐れしさがにあらずして惡しきみちびきなることを 一〇三—一〇五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
重「へえ、これはおみちびきでございますな、何にしても今晩はお泊り遊ばせ、今に忰も帰って参りましょうから」
さては我をみちびきたる也と熊のさりし方を遥拝ふしをがみかず/\礼をのべ、これまつたく神仏の御蔭おかげぞとお伊勢さま善光寺ぜんくわうじさまを遥拝ふしをがみうれしくて足の蹈所ふみどもしらず、火点頃ひとぼしころ宿へかへりしに
われは兩三度旅亭の浴槽に浴したる後、みちびきを得て靈效神の如しといへる川原の湯に赴かんとしつ。川に沿ひたる岩を傳ひて、一町程行けば、半桁の獨木橋弓の如く架りてあり。
日光山の奥 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
青野原のかたはらを経て垂井たるゐ駅なり。駅中に南宮一の鳥居あり。七八丁入り社人若山八兵衛といふものをみちびきとして境内を歴覧す。空也上人建るところの石塔みかげ石字なし。図巻末に出す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
けれど柳川君やながはくんよ、きみ不思議ふしぎにも、てんみちびきのやうに、我等われら仲間なかまつてました。
海道うみつぢみちびきや、早や槁根津日子さをねつひこ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まれにもひとべきはづのない此樣こんはなじまへ、偶然ぐうぜんとはいへ、昔馴染むかしなじみきみへたのは、まつたてんみちびきのやうなもので、これから數年間すうねんかんおないへに、おなつきながめてくらすやうな運命うんめいになつたのも
海道うみつぢみちびきや、早や槁根津日子さをねつひこ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)