トップ
>
寡言
>
むくち
ふりがな文庫
“
寡言
(
むくち
)” の例文
「そんぢや
爺
(
ぢい
)
が
砂糖
(
さたう
)
でも
嘗
(
な
)
めろ」とおつぎは
與吉
(
よきち
)
を
抱
(
だい
)
て
籰棚
(
わくだな
)
の
袋
(
ふくろ
)
をとつた。
寡言
(
むくち
)
な
卯平
(
うへい
)
は
一寸
(
ちよつと
)
見向
(
みむ
)
いたきりで
歸
(
かへ
)
つたかともいはない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
平常の
寡言
(
むくち
)
で沈重な彼とは——まったく別人のように、知性をかなぐり捨てた修羅武者になっていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おやじ様、この仇をどうする」と、
寡言
(
むくち
)
の伝四郎は憤怒に燃える眼をかがやかして父に迫った。
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
阿繊は
寡言
(
むくち
)
で怒るようなこともすくなかった。人と話をしてもただ微笑するばかりであった。昼夜
績
(
つむ
)
いだり
織
(
お
)
ったりして休まなかった。それがために上の者も下の者も皆阿繊を可愛がった。
阿繊
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
その上私は彼に言葉をかけ慣れてゐなかつた。彼の
寡言
(
むくち
)
はまた
甚
(
ひど
)
くなつて、私の打解けた心もその下に
凍
(
こほ
)
りついて了つた。彼は私を妹達と同じやうに思ふといふ約束を守つてくれなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
あなたは
寡言
(
むくち
)
です
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
俺
(
お
)
れこと
忘
(
わす
)
れたんべ
此
(
こ
)
ら、
大
(
え
)
かく
成
(
な
)
つたと
思
(
おも
)
つて
來
(
き
)
たつけが
本當
(
ほんたう
)
に
分
(
わか
)
んねえ
程
(
ほど
)
大
(
え
)
かく
成
(
な
)
つたな」
寡言
(
むくち
)
な
卯平
(
うへい
)
が
此
(
こ
)
の
夜
(
よ
)
は
種々
(
いろ/\
)
に
饒舌
(
しやべ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ひとりは女中らしい
二十歳
(
はたち
)
ばかりの女で、一人は十六ぐらいのお嬢さん、もう一人はこの
阿母
(
おかあ
)
さんらしい四十前後の上品な奥さんで、みんな
寡言
(
むくち
)
なつつましやかな人達だから
河鹿
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あなたは
寡言
(
むくち
)
です。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
然
(
しか
)
し
卯平
(
うへい
)
は
老衰
(
らうすゐ
)
の
身
(
み
)
を
漸
(
やうや
)
くのことで
投
(
な
)
げ
掛
(
か
)
けた
心
(
こゝろ
)
の
底
(
そこ
)
に
蟠
(
わだかま
)
つた
遠慮
(
ゑんりよ
)
と
性來
(
せいらい
)
の
寡言
(
むくち
)
とで、
自分
(
じぶん
)
から
要求
(
えうきう
)
することは
寸毫
(
すんがう
)
もなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
伝四郎は今年
二十歳
(
はたち
)
の
独身者
(
ひとりもの
)
で、これも父に似て骨格のたくましい
寡言
(
むくち
)
の男であった。
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
先生は元来が
寡言
(
むくち
)
の方で、ふだんでも家庭上必要の用件以外には、あまり多く奥さんやお嬢さんと談話をまじえない習慣であるので、今度の問題についても深く語らないであろうことは
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
元来が温順の性質らしいが、さりとて
寡言
(
むくち
)
というでもなく、陰鬱というでもなく、いかにも若々しいような調子で笑いながら話しつづけた。どう見ても、彼は一個の愛すべき青年である。
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
江戸者ではいけない、なんでも
親許
(
おやもと
)
は江戸から五里七里は離れている者でなければいけない。年が若くて、
寡言
(
むくち
)
で正直なものに限る。それから一つは一年の出代りで
無暗
(
むやみ
)
に動くものでは困る。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
寡言
(
むくち
)
の彼も今夜は無器用な冗談などを時どきに言って、女どもに笑われた。
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お亀は今年十七になるお蝶という娘を相手に、永代橋の
際
(
きわ
)
に茶店を出している。お蝶は上品な美しい娘で、すこし
寡言
(
むくち
)
でおとなし過ぎるのを疵にして、若い客をひき寄せるには十分の
価
(
あたい
)
をもっていた。
半七捕物帳:07 奥女中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
寡
常用漢字
中学
部首:⼧
14画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“寡言”で始まる語句
寡言家
寡言多聞
寡言沈厚
寡言温容