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孃樣
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ぢやうさま
希くは
針に
傷つくことなかれ。お
孃樣これめせと、
乳母ならむ
走り
來て
捧ぐるを、
曰く、ヱプロン
掛けて
白魚の
料理が
出來ますかと。
魚も
活くべし。
手首の
白さ
更に
可三寸。
餘所他へ御縁付といふ事ならば
最似附はしき
縁談が御座りまするが
如何であるかと申すは
外の事ならず
吾儕家の若主人は十九に
成て
箇樣々々お
孃樣とは
年齡から容貌の程も一
對なれば此方へ
嫁にお貰ひ申す譯には參りますまいかと問ば
主個は
首を
差出がましうござんすが、お
座興にもと
存じて、お
客樣の
前ながら、
申上げます、とお
孃樣、
御口上。——
内に、
日本と
云ふ、
草毟の
若い
人が
居りませう……ふと
思ひ
着きました。
見れば昔し
由縁ある人なる可し親子の
立擧動尋常ならず親は
篤實面に
顯れ娘は孝行
自然と知れまた容貌も
勝れたれば忠兵衞ほと/\
感心なし
主個の
方のうち向ひお見申せばお
宅樣はお二個
限にてお
孃樣は
失禮ながら
美麗きお生れ
質にて御座りますが定めしお
婿樣を