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ゐふう
別に、
肩には
更紗を
投掛け、
腰に
長劍を
捲いた、
目の
鋭い、
裸の
筋骨の
引緊つた、
威風の
凛々とした
男は、
島の
王樣のやうなものなの……
持頭は
惣髮の
撫附にて
威風近傍を拂つて
徐々と進み行く續いて
常樂院天忠和尚は紫きの
直綴を纏ひ
蜀紅錦の袈裟を掛けて手に水晶の念珠を
携へて
相隨ひ山内伊賀亮には
黒羽二重の
袷小袖に
柿染の
長上下その外赤川大膳藤井
左京皆々麻上下にて
續て隨ひ來る
其行粧は
威風堂々として四邊を
現はれ
來つた
二個の
人は
紛ふ
方なき
日本人で、
一人は
色の
黒々とした
筋骨の
逞ましい
水兵の
姿、
腰に
大刀を
横へたるが、キツと
此方を
眺めた、
他の
一人は、
威風凛々たる
帝國海軍士官の
服裝