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夜學
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やがく
母親はほた/\として
茶を
進めながら、
亥之は
今しがた
夜學に
出て
行ました、あれもお
前お
蔭さまで
此間は
昇給させて
頂いたし、
課長樣が
可愛がつて
下さるので
何れ
位心丈夫であらう
夜學はもとよりの
事明日は
勤めに
出るさへ
憂がりて、一
寸もお
美尾の
傍を
放れじとするに、あゝお
前樣は
何故その
樣に
聞分けては
下さらぬぞと
淺ましく、
互ひの
思ひそはそはに
成りて
少しも
早く
此樣な
古洋服にお
辨當さげる
事をやめて、
道を
行くに
人の
振かへるほど
立派のお
人に
成つて
下され、
私に
竹の
皮づゝみ
持つて
來て
下さる
眞實が
有らば、お
役處がへりに
夜學なり
何なりして