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やがく
ぼくのうちは、
貧乏だし、なかなか
上の
学校へいかれない。
来年は
町のおじさんの
店へ
奉公して、
夜学で
勉強をするつもりだ。
「お
母さん、
僕が、
大きくなるまで
達者でいてください。
来月から、
昼間働いて、
夜学にいきますから。」
夜學はもとよりの
事明日は
勤めに
出るさへ
憂がりて、一
寸もお
美尾の
傍を
放れじとするに、あゝお
前樣は
何故その
樣に
聞分けては
下さらぬぞと
淺ましく、
互ひの
思ひそはそはに
成りて
少しも
早く
此樣な
古洋服にお
辨當さげる
事をやめて、
道を
行くに
人の
振かへるほど
立派のお
人に
成つて
下され、
私に
竹の
皮づゝみ
持つて
來て
下さる
眞實が
有らば、お
役處がへりに
夜學なり
何なりして