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変貌
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へんぼう
ふりがな文庫
“
変貌
(
へんぼう
)” の例文
旧字:
變貌
島々の天然が近世に入って、激しい
変貌
(
へんぼう
)
を
遂
(
と
)
げたことは
何処
(
いずこ
)
も同じだが、この大島などはさらに特殊な社会的原因を附加している。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
喰いちぎってやりたい……人間が人間を喰いちぎる……一瞬にして
変貌
(
へんぼう
)
する女の顔がパッと僕のなかで破裂したようだった。
火の唇
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
僕らの感じているのは、実は寺でなくて博物館ではないか。この無意識の
変貌
(
へんぼう
)
を僕は最も
惧
(
おそ
)
れる。信仰にとっては致命的だ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
今更のように、彼等は、平治の乱や保元の頃の
憶
(
おも
)
い
出
(
で
)
を、新たに語りだして、二十年の歳月をふり
顧
(
かえ
)
り、
遽
(
にわか
)
に、世の中の
変貌
(
へんぼう
)
に目をみはり出した。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
巧
(
たくみ
)
な化粧で
変貌
(
へんぼう
)
したX夫人を先年某料亭で見て変貌以前を知って居る私が眼前のX夫人の美に
見惚
(
みほ
)
れ乍ら麻川氏と一緒に単純に
讃嘆
(
さんたん
)
出来なかった事
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
神保町の
賑
(
にぎ
)
やかな通りで、ふとある大きな書店の裏通りへ入ってみると、その横町の
変貌
(
へんぼう
)
は驚くべきもので、全体が安価な喫茶と酒場に塗り
潰
(
つぶ
)
されていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あるいはマルコ伝ですぐ次に記されている山上
変貌
(
へんぼう
)
の記事、すなわちイエスの
御貌
(
おかお
)
が神の栄光をもって輝いたのをペテロ、ヤコブ、ヨハネの三人が見たのは
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
実にこの
叙事詩
(
エピック
)
と
抒情詩
(
リリック
)
の対立は、人間に於ける二つの感情——情緒と権力感情——との二大分野を示すもので、人文の歴史がある限り、たといその形式は
変貌
(
へんぼう
)
しても
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
第二葉の写真の顔は、これはまた、びっくりするくらいひどく
変貌
(
へんぼう
)
していた。学生の姿である。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その傾向が近頃妙な工合に
変貌
(
へんぼう
)
して、不作法な柄の悪い言語動作をちらつかせるようになった。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そしてようやく落ち着きかかったとき世の中がにわかに
変貌
(
へんぼう
)
をはじめたのであった。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
自分を補強し
変貌
(
へんぼう
)
することが、その先進国を相手にまわしながら
毅
(
つよ
)
く自分を生かすために、是非必要のことだったのであるが、そうした文化工作が形の上でも質の上でも成果を見せるには
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
それにもかかわらず麻川氏が
変貌
(
へんぼう
)
以後のX夫人に、葉子より先に葉子の欠席した前回のこの会で
遇
(
あ
)
い、それが麻川氏とX夫人との初対面であった為めか
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それは彼自ら東国の一方に
拠
(
よ
)
っていたせいもあろうが、歴史の極りない転変と地上の
変貌
(
へんぼう
)
のみを思って、この国土が、いかに乱に遭っても、いつか帰一し、いかに
紊
(
みだ
)
れても
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自然に少しずつ
歪
(
ゆが
)
められて、遂に全く日常語から
変貌
(
へんぼう
)
した特殊のものになったのだろう。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
後には
変貌
(
へんぼう
)
の山にも(九の二)、ゲッセマネの園にも(一四の三三)、
秘
(
ひそ
)
かなる祈りの場に三人の愛弟子を伴い給いましたが、今はまだそのような信頼をかけるべき者は一人もいないのです。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
列車の窓が次々に送り迎える
巍然
(
ぎぜん
)
たる
街衢
(
がいく
)
、その街衢と街衢との切れ目毎にちらつく議事堂の
尖塔
(
せんとう
)
を遠望すると、今更に九年の歳月と云うものの長さ、———その間には帝都の
変貌
(
へんぼう
)
のみならず
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
督戦
(
とくせん
)
していたが、変幻極まりない武田軍の陣容は、たちまち
変貌
(
へんぼう
)
して、左右に迫り、へたをすれば、うしろ巻きしている家康自身の陣地が、浜松と
遮断
(
しゃだん
)
されそうな形になった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時としてはまた、往来を歩くすべての人が、猫の
変貌
(
へんぼう
)
した人間のように見えたりした。
ウォーソン夫人の黒猫
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
夜景全局を刹那に
地獄相
(
じごくそう
)
に
変貌
(
へんぼう
)
せしめまた刹那にもとの歓楽相に
戻
(
もど
)
す。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と袁紹
父子
(
おやこ
)
が、その本陣から前線の将士へ、伝騎を飛ばした時は、すでに彼らの司令本部も、五寨の中核からだいぶ位置を移して、前後の連絡はかなり
変貌
(
へんぼう
)
していたのであった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この「叙事詩」と「抒情詩」とは実に西洋詩の二大
範疇
(
はんちゅう
)
と言うべきもので、古典韻文の既に全く
凋落
(
ちょうらく
)
した近代に至っても、
尚
(
なお
)
或る
変貌
(
へんぼう
)
した形に於て、本質上から互に対立している有様である。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
仏教にもいろ/\の
変貌
(
へんぼう
)
を来たしたが、中にも、肉感的美欲を充足させつゝ、それを通して魂の永遠の落付きどころを
覗
(
のぞ
)
かせるには、感覚的な対象となる宗教的器具設備が最も時機相応であつた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
旧
(
ふる
)
き人、新しき人、また、新旧両道の人など——この信貴山の
一怒濤
(
いちどとう
)
にも、或いは
滅
(
ほろ
)
び、或いは
興
(
おこ
)
り、或いは
没
(
ぼっ
)
し、或いはあらわれ——時代の激動は、この地上に、
変貌
(
へんぼう
)
を
余
(
あま
)
す所もなかった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“変貌”の意味
《名詞》
変 貌(へんぼう)
姿や様子が変わること。
(出典:Wiktionary)
変
常用漢字
小4
部首:⼡
9画
貌
常用漢字
中学
部首:⾘
14画
“変貌”で始まる語句
変貌振