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塾生
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じゆくせい
塾は
家族的の
組織であるから
各人共同の
物である、
塾生は
此處を
自分の
家と
心得て
何事も
自分に
責任を
持つて
遣らねばなりません。
塾生と
家族とが
住んで
使つてゐるのは
三室か
四室に
過ぎない。
玄關を
入ると
十五六疊の
板敷、
其へ
卓子椅子を
備へて
道場といつた
格の、
英漢數學の
教場になつて
居る。
まづ
責任を
閑過する一
例を
申しませう。それは
重に
外出などに
就て
起る
事柄で、
塾生の
身は
無論私が
其の
親から
責任を
持て
預つてゐるのですから
出入に
就ては
行先を
明瞭にして
置きます。
雨落に
敷詰めた
礫には
苔が
生えて、
蛞蝓が
這ふ、
濕けてじと/\する、
内の
細君が
元結をこゝに
棄てると、
三七二十一日にして
化して
足卷と
名づける
蟷螂の
腹の
寄生蟲となるといつて
塾生は
罵つた。