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じょうさい
ふりがな文庫
“
城砦
(
じょうさい
)” の例文
搦手
(
からめて
)
は紀伊、
葛城
(
かつらぎ
)
山脈などの山波を
擁
(
よう
)
し、いたるところの前哨陣地から金剛の山ふところまで、数十の
城砦
(
じょうさい
)
を配していたことになる。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとえば、
城砦
(
じょうさい
)
の姿をしてるヴィニュマル山(訳者注 ピレーネー山脈の高峰)は、僕にとってはなおキベーレ神の帽子なんだ。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
もし強いて細かく説明するならば、奥羽でタテというのは低地に臨んだ丘陵の端で、通例は昔武人が
城砦
(
じょうさい
)
を構えていたと伝えられる場処である。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ちょうど黒死館の
城砦
(
じょうさい
)
めいた陰鬱な建物に、僕はそういう、非道徳的な——むしろ悪魔的な性能を、すこぶる豊富に認めることが出来るのだよ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ずっと昔、そこになにがし氏の
城砦
(
じょうさい
)
があったといわれ、現在でも頂上に五段歩ほどの平地と、
空濠
(
からぼり
)
の跡や、石畳に使ったらしい石などが残っていた。
月の松山
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
杯
(
さかずき
)
に触れなば思い起せよ、かつて、そは、King Hiero の
宴
(
うたげ
)
にて、森蔭深き
城砦
(
じょうさい
)
の、いと古びたる円卓子に、将士あまた招かれにし——私は
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
空気を占領し、自然原素を従え、自然の最後の
城砦
(
じょうさい
)
を打ち破り、空間を
辟易
(
へきえき
)
させ、死を辟易させるがいい……。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
宮殿・楼閣・
城砦
(
じょうさい
)
・公堂・会館の
巍々
(
ぎぎ
)
たるも、これをもって国民とはなさざるなり。けだし国民なるものは、いかなる国においても茅屋のうちに住するものなり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
後にナポレオン三世になったルイ・ナポレオンその人で、その頃はハムの
城砦
(
じょうさい
)
に囚われておったのだ。
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
城砦
(
じょうさい
)
の模型、軍船の模型、洋刀の模型、
背嚢
(
はいのう
)
の模型、馬具の模型、測量器、靴や軍帽や
喇叭
(
ラッパ
)
や軍鼓や、洋式軍服や携帯テントや望遠鏡というようなものが、整然として置かれてあり
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それは七月革命のときのこと、あの世にも
輝
(
かがや
)
かしい勝利の日の夕暮だったのです。
一軒
(
いっけん
)
一軒の家が
城砦
(
じょうさい
)
となり、一つ一つの窓が
堡塁
(
ほうるい
)
となっていました。民衆はチュイルリー宮へ向って
突進
(
とっしん
)
しました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
で、大野木山の関門や、そこらの
城砦
(
じょうさい
)
には、藤吉郎の手勢を残して、信長の本軍は、
遮
(
しゃ
)
二無二、敵方の本城地へ肉薄して来たものだった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
がついに消えうせてしまって、九つの塔を持った陰惨な
牢獄
(
ろうごく
)
の
城砦
(
じょうさい
)
の跡に立った、煙筒のついた大きなストーブみたいな記念碑を、平和にそびえさした。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
花々しい軍旗を押し立てて労働階級を率い、有産階級の
城砦
(
じょうさい
)
を攻撃せしむるにいたった、それらの思想は、有産階級の夢想者らの頭脳から出て来たものだった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「合戦にのぞんでこの橋ひとつが要害とは、さても岡崎は攻め易うございますな」「…………」「
城砦
(
じょうさい
)
壕塁
(
ごうるい
)
はいくさの
凌
(
しの
)
ぎで、攻防のかなめは人にあると存じますが、……しかし、 ...
薯粥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ハバの下の居住が単なる自然の地形からでも、なお
園圃
(
えんぽ
)
農業の拡張によって、労力の利用を進めることができる。まして
城砦
(
じょうさい
)
の保護があったとすれば、末々繁昌するのは当然であると言ってよい。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
けれどその後、三河、
遠江
(
とおとうみ
)
のうちにあった武田氏所属の
城砦
(
じょうさい
)
十何ヵ所というものを、毎月のように、一城一城攻め取って行った。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今から二十年前までは、バスティーユの広場の南東のすみ、監獄の
城砦
(
じょうさい
)
の昔の
濠
(
ほり
)
に通ぜられた掘り割りにある停船場の近くに、一つの不思議な記念物が残っていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
すでに首尾よく黄忠や張著を救いだして、わが
城砦
(
じょうさい
)
へ帰っていた趙雲は、互いの無事をよろこび、きょうの
戦捷
(
せんしょう
)
を賀して
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
反乱はパリーの中央をもって、錯雑し曲がりくねった巨大な一種の
城砦
(
じょうさい
)
となしていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
祖父谷
(
おじや
)
、平井山、松尾の三山のふところになっている。
城砦
(
じょうさい
)
の規模は小さいが
天嶮
(
てんけん
)
である。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは一つの
城砦
(
じょうさい
)
であったが、今はもう一つの農家にすぎなくなっている。ウーゴモン(Hougomont)は、古代学者にとってはむしろユゴモン(Hugomons)というのである。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
一方、成政も、やっ気になって、国境のかためを厳にし、要地要地に、
城砦
(
じょうさい
)
を増した。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼がまだ
洲股
(
すのまた
)
の城にいて、ようやく一個の
城砦
(
じょうさい
)
と狭い領土とをはじめて持ったとき、早くもこの若き
偉材
(
いざい
)
を味方に迎えんとして、半兵衛重治の
隠棲
(
いんせい
)
していた栗原山の草庵へ、何十度となく
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
瓜生保
(
うりゅうたもつ
)
は戦死し、義貞の子
義顕
(
よしあき
)
も、
尊良
(
たかなが
)
親王も、大勢の味方と共に自刃するなど、いかに苛烈な抗戦であったかは、あとになって、
城砦
(
じょうさい
)
に入ってみると、死馬の骨が山とつんであったのでも分った。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“城砦”の意味
《名詞》
城と砦。城塞。要害。
(出典:Wiktionary)
城
常用漢字
小4
部首:⼟
9画
砦
漢検準1級
部首:⽯
10画
“城”で始まる語句
城
城址
城下
城廓
城普請
城塞
城山
城跡
城壁
城戸