各自おの/\)” の例文
そはかしこにては、我等の所有もちものとなふる者愈〻多ければ、各自おの/\くるさいはひ愈〻多く、かの僧院に燃ゆる愛亦愈〻多ければなり。 五五—五七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
受取屏風圍びやうぶかこひの内へひかへさせおき平民の分は白洲しらすたまりへ控へたり時に案内に隨ひ各自おの/\吟味の席にまかり出れば白洲には雨障子しやうじを高く掛渡かけわたし御座敷むき的歴きらびやかなる事まことに目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
遼邈之地とほくはるかなるくになほ未だ王沢うつくしびうるほはず、遂にむらに君有り、あれひとこのかみ有り、各自おの/\さかひを分ちて、もつて相凌躒しのぎきしろふ。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
各自おの/\でうつゑたづさへ、續々ぞく/\市街しがい入込いりこみて、軒毎のきごとしよくもとめ、あたへざればあへらず。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もよふせしがのめうたへと調子づき追々亂酒らんしゆになり夜に入ると雖も猶更に各自おの/\謠ひ淨瑠璃じやうるりにだみ聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
第一の平等者びやうとうじや汝等に現はるゝや、汝等各自おの/\の愛と智とはそのおもさ等しくなりき 七三—七五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
日和癖ひよりぐせで、何時なんどきぱら/\とようもれないから、案内者あんないしや同伴つれも、わたしも、各自おの/\蝙蝠傘かうもりがさ……いはゆる洋傘パラソルとはのれないのを——いろくろいのに、もさゝないし、たれはゞかるともなく
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
言掛りなりとて打擲をうけ事柄ことがら相反すと雖も各自おの/\邪正じやしやう洞察みぬかれし裁許天晴明斷と言つべし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)