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あまつ
其方儀
主人妻何程申付候共又七も主人の
儀に
付致方も
有之べき處主人又七に
疵を
付剩さへ
不義の申
掛を致さんとせし段
不屆至極に付
死罪申
付る
色は
蒼白!……
外にも
誰やら? や、パリスどのまで?
剩さへ
血汐に
浸って?……あゝ/\、
何といふ
無慚な
時刻ぢゃ、
如是あさましい
事をば一
時に
爲出來すとは!……や、
姫が
身動爲やる。
日露戰爭のすぐ
以前とは
言ひながら、
一圓づゝに
算へても、
紙幣の
人數五十枚で、
金の
鯱に
拮抗する、
勇氣のほどはすさまじい。
時は
二月なりけるが、
剩さへ
出陣に
際して、
陣羽織も、よろひもない。
其方義夫傳吉の
留守中昌次郎と
奸通致し
剩さへ傳吉
歸國の
節密夫昌次郎に大金を
欺取せ
旁々以て
不埓に付
三宅島へ
遠島申付る
其方儀
養子又七に
疵付剩さへ不義の申
掛致候樣下女きくに申
付る段人に
母たるの
行ひに
非ず
不埓至極に
付遠島申
付る