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前借
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ぜんしやく
ふりがな文庫
“
前借
(
ぜんしやく
)” の例文
「所で、さういふ
前借
(
ぜんしやく
)
方法を提供したのは僕ですから、僕の方の原稿料は成るべく安くまけて貰ひたいもんですね。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この時、彼女を女郎にする手續上不都合のため、良人周三と法律上離婚させられたこと、さうして、この遊廓内での半年の間に、
前借
(
ぜんしやく
)
が八百五十圓にふえたこと。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
お
袋
(
ふくろ
)
はお
品
(
しな
)
が
好
(
す
)
いて
居
(
ゐ
)
るので、
勘次
(
かんじ
)
を
不足
(
ふそく
)
な
婿
(
むこ
)
と
思
(
おも
)
つては
居
(
ゐ
)
なかつた。
勘次
(
かんじ
)
は
其
(
その
)
暮
(
くれ
)
も
亦
(
また
)
主人
(
しゆじん
)
へ
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
せる
筈
(
はず
)
で
前借
(
ぜんしやく
)
した
給金
(
きふきん
)
を、お
品
(
しな
)
の
家
(
うち
)
へ
注
(
つ
)
ぎ
込
(
こ
)
んだのでお
袋
(
ふくろ
)
は
却
(
かへつ
)
て
悦
(
よろこ
)
んで
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私は
早速
(
さつそく
)
用談に取りかかつた。
近々
(
きんきん
)
私の小説集が、この書肆から出版される。その印税の
前借
(
ぜんしやく
)
が出来るやうに、一つ骨を折つて見てはくれまいか。——これがその用談の要点であつた。
塵労
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それでゐて、健の月給は
唯
(
たつた
)
八円であつた。そして、その八円は
何時
(
いつ
)
でも
前借
(
ぜんしやく
)
になつてゐて、二十一日の月給日が来ても、いつの月でも健には、同僚と一緒に月給の渡されたことがない。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
それは
彼
(
かれ
)
が
僅
(
わづか
)
の
間
(
あひだ
)
に
見
(
み
)
た
放浪者
(
はうらうしや
)
の
怖
(
おそ
)
ろしさを
思
(
おも
)
つて、
假令
(
たとひ
)
どうしても
其
(
その
)
統領
(
とうりやう
)
を
欺
(
あざむ
)
いて
其
(
そ
)
の
僅少
(
きんせう
)
な
前借
(
ぜんしやく
)
の
金
(
かね
)
を
踏
(
ふ
)
み
倒
(
たふ
)
す
程
(
ほど
)
の
料簡
(
れうけん
)
が
起
(
おこ
)
されなかつたのである。
其
(
そ
)
の
内
(
うち
)
に
張元
(
ちやうもと
)
から
葉書
(
はがき
)
が
來
(
き
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
“前借”の意味
《名詞》
支給日の前に賃金分などを借りること。
(出典:Wiktionary)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
借
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“前”で始まる語句
前
前後
前途
前方
前垂
前刻
前様
前栽
前屈
前掛