切腹せつぷく)” の例文
取出し見れば最早もはやかほ劔難けんなんさうあらはれたれば然ば明日は病氣といつはり供を除き捕手とりての向はぬ内に切腹せつぷくすべしと覺悟かくごを極め大膳のもと使つかひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この與力よりきもなく、但馬守たじまのかみから閉門へいもんめいぜられた擧句あげくに、切腹せつぷくしてしまつた。とが箇條かでううちには、多田院御用ただのゐんごよう立札たてふだ無禮ぶれいがあつたといふくだりもあつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
しよあるいてはなしはしてもたらうなれど、られたは後袈裟うしろげさ頬先ほうさきのかすりきず頭筋くびすぢ突疵つききずなど色々いろ/\あれども、たしかにげるところられたに相違さういない、ひきかへてをとこ美事みごと切腹せつぷく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
仕つり其節そのせつ切腹せつぷく仕るべき覺悟かくごに候然らば當年中にはよも御對顏のはこびには相成まじく其内に眞僞しんぎ判然はんぜんも仕らんかと所存を定め候あひだ今晩こんばん亡者まうじや姿すがたにて不淨門の番人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
相※あひづわれ切腹せつぷく致すなりと申渡されけるに家中の面々大におどろ今宵こよひこそは殿樣とのさまへの御暇乞おいとまごひなりとて不覺そゞろに涙をながし各々座敷へ相詰あひつめける越前守は家中一同を屹度きつと見て池田大助だいすけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)