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凜然
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りんぜん
ふりがな文庫
“
凜然
(
りんぜん
)” の例文
外国公使らの専横を
挫
(
くじ
)
いて、
凜然
(
りんぜん
)
とした態度を持ち続けたことにかけては、老中の右に出るものはなかったと言い出したものもあった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
楼上
(
ろうじょう
)
の接客室で逢いましたが、その
容貌
(
ようぼう
)
は温厚
篤実
(
とくじつ
)
でその中に威儀
凜然
(
りんぜん
)
として侵すべからざる一種の徳を備え英語もなかなかよく出来る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「結婚は手段です。あの男に対する刑罰と復讐とが、それに続くのです。」瑠璃子は
凜然
(
りんぜん
)
と火花を発するように云った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
大胆
(
だいたん
)
に勇気
凜然
(
りんぜん
)
と主人公登場、と役割書には書いてありました——この男は、いま自分をあざけり笑った見物人の前に出なければなりませんでした。——
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「だってそうじゃありませんか。——文学はほかの学問とは違うのです」と道也先生は
凜然
(
りんぜん
)
と云い放った。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
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上手下手のことではなく、まるで気魄のない文字を書く人間は、内に
凜然
(
りんぜん
)
たる頼もしい処がないのではあるまいかと、我が筆の跡を顧み、
忸怩
(
じくじ
)
たるものがあるのだ。
日記:09 一九二三年(大正十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それが今は平生の御様子と異なり、
凜然
(
りんぜん
)
として先頭に立ち、弟子たちがとても追いつけないほどに速く、どんどん歩かれたものですから、弟子たちはびっくりした。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
気宇
凜然
(
りんぜん
)
として山河を
凌銷
(
りょうしょう
)
し、万象
瑩然
(
えいぜん
)
として
清爽
(
せいそう
)
際涯
(
さいがい
)
を知らずと書物には書いてあります。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その霊が化して雷神となって朝臣に
讐
(
あだ
)
をすると信ぜられていた時分、或る日
清涼殿
(
せいりょうでん
)
に落雷して満廷の
公卿
(
くげ
)
たちが顔色を失った折に、時平は
凜然
(
りんぜん
)
と
太刀
(
たち
)
を引き抜いて大空を
睨
(
にら
)
み
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その士気の
凜然
(
りんぜん
)
として、
私
(
し
)
に屈せず
公
(
こう
)
に
枉
(
ま
)
げず、私徳私権、公徳公権、内に
脩
(
おさ
)
まりて外に発し、内国の秩序、
斉然巍然
(
せいぜんぎぜん
)
として、その余光を四方に
燿
(
かがや
)
かすも決して偶然にあらず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
同時に土間の
敷居
(
しきい
)
の所に、石ノ上ノ文麻呂と、清原ノ秀臣が
凜然
(
りんぜん
)
として立っている。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
しかし大抵そういう場合の舞台のすがたは何となく生気に乏しい、影の薄いものであるが、かの新蔵ばかりはいつ見ても舞台の
意気
(
いき
)
凜然
(
りんぜん
)
たるものがあった。かれは魂の力で働いていたのであろう。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
岩倉以下
卿相
(
けいしょう
)
列座の中で、面を正して陛下に向い、今後の日本は従来の日本と同じからず、すでに外国には君王を廃して共和政治を
布
(
し
)
きたる国も候、よくよく御注意遊ばさるべくと
凜然
(
りんぜん
)
として
言上
(
ごんじょう
)
し
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「押鐘津多子です」法水はすかさず
凜然
(
りんぜん
)
と云い放った。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
太郎丸を一
睨
(
げい
)
した西川正休、
凜然
(
りんぜん
)
として云い放した。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
もしも年来日本男子をしてその醜行を
恣
(
ほしいまま
)
にせしめて、一方に良家婦徳の
凜然
(
りんぜん
)
たるものなからしめなば、我が社会はほとんど暗黒世界たるべきはずなるに、幸いにしてその
然
(
しか
)
らざるは
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そこでその問答の
底意
(
そこい
)
は、己れが
煩悩
(
ぼんのう
)
の心を打ち破って己れが心の地獄を
滅却
(
めっきゃく
)
するために勇気
凜然
(
りんぜん
)
たる形をあらわし、その形を心の底にまで及ぼして
解脱
(
げだつ
)
の方法とするのであります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
とその婦人が
凜然
(
りんぜん
)
と言い出した。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
これらの気概の
沮喪
(
そそう
)
した兵士に比すると壮士坊主の方が余程えらい。彼らは妻はなし子はなし、少しも
顧
(
かえりみ
)
るところがないから実に勇気
凜然
(
りんぜん
)
として、誰をも恐れないという勢いを持って居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
試みにこれを歴史に徴するに、義気
凜然
(
りんぜん
)
として威武も屈する
能
(
あた
)
わず富貴も
誘
(
いざの
)
う能わず、自ら私権を保護して鉄石の如くなる士人は、その家に
居
(
お
)
るや必ず優しくして情に厚き人物ならざるはなし。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
凜
漢検1級
部首:⼎
15画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“凜”で始まる語句
凜々
凜
凜乎
凜烈
凜冽
凜寒
凜絶