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円柱
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まるばしら
ふりがな文庫
“
円柱
(
まるばしら
)” の例文
旧字:
圓柱
帰りは、
幹
(
みき
)
を並べた
栃
(
とち
)
の木の、星を指す偉大なる
円柱
(
まるばしら
)
に似たのを廻り廻つて、
山際
(
やまぎわ
)
に添つて、反対の
側
(
かわ
)
を鍵屋の前に戻つたのである。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
左右に開く廻廊には
円柱
(
まるばしら
)
の影の重なりて落ちかかれども、影なれば音もせず。生きたるは室の中なる二人のみと思わる。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
旅魚屋の傳次は本堂へ出ましたが、勝手を知らんから木魚に
躓
(
つまづ
)
き、前へのめる
機
(
はず
)
みに
鉄灯籠
(
かなどうろう
)
を突飛し、
円柱
(
まるばしら
)
で頭を打ちまして
経机
(
きょうづくえ
)
の上へ尻餅をつく。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
博士は躊躇せずに飛び込んだ。ああ密室の奇怪なことよ! 計り知られぬ
円柱
(
まるばしら
)
が、室を支えて立っている。室の中央に厳そかに、石造の棺が置いてある。
木乃伊の耳飾
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
甃石
(
しきいし
)
の
亀裂
(
さけ
)
ている個所もあり、玄関へ上る石段の
磨滅
(
すりへ
)
っている家もあったが、何処の家にも前世紀の厳めしいポーチと、昔の記憶を塗込めた太い
円柱
(
まるばしら
)
があった。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
▼ もっと見る
折々クサンチスは台から下へ降りて来て、大勢が感嘆して
環
(
めぐ
)
り視てゐる真中に立つて、昔アルテミスの
祠
(
ほこら
)
の、
円柱
(
まるばしら
)
の並んだ廊下で踊つた事のある踊を
浚
(
さら
)
つて見る。
クサンチス
(新字旧仮名)
/
アルベール・サマン
(著)
示しながら「怪しからん構造物があるじゃないか。この
円柱
(
まるばしら
)
が二つに割れたり、それから中に階段があったり、物置に抜けられたり、一体これは
如何
(
いか
)
なる目的かネ」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ほんの小ちやな藁屑でも、天井のしつかりした梁になるし、よごれた葉つぱの茎でも強い
円柱
(
まるばしら
)
になるのだ。大工達は、近所の森とも云ふやうな草叢の中を探険して其等の木切れを選ぶのだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
平屋根の上には、一だんたかく、金めっきしたりっぱな
円屋根
(
まるやね
)
がそびえていました。建物のぐるりをかこむ
円柱
(
まるばしら
)
のあいだに、いくつもいくつも大理石の像が、生きた人のようにならんでいました。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ただ、所々
丹塗
(
にぬり
)
の
剥
(
は
)
げた、大きな
円柱
(
まるばしら
)
に、
蟋蟀
(
きりぎりす
)
が一匹とまっている。羅生門が、
朱雀大路
(
すざくおおじ
)
にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする
市女笠
(
いちめがさ
)
や
揉烏帽子
(
もみえぼし
)
が、もう二三人はありそうなものである。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
側
(
そば
)
なる鉄の
円柱
(
まるばしら
)
を小指もてゆらゆらと
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
日の本の東西にただ二つの市の中を、
徐々
(
しずしず
)
と拾ったのが、たちまち
電
(
いなずま
)
のごとく、
颯
(
さっ
)
と、
照々
(
てらてら
)
とある
円柱
(
まるばしら
)
に影を残して、鳥居際から
衝
(
つ
)
と左へ切れた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼻の先から出る黒煙りは
鼠色
(
ねずみいろ
)
の
円柱
(
まるばしら
)
の各部が
絶間
(
たえま
)
なく
蠕動
(
ぜんどう
)
を起しつつあるごとく、むくむくと
捲
(
ま
)
き上がって、
半空
(
はんくう
)
から大気の
裡
(
うち
)
に
溶
(
と
)
け込んで碌さんの頭の上へ容赦なく雨と共に落ちてくる。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
赤土の色きれいに掃きたる
一条
(
ひとすじ
)
の道長き、右左、
石燈籠
(
いしどうろう
)
と
石榴
(
ざくろ
)
の樹の小さきと、おなじほどの距離にかわるがわる続きたるを
行
(
ゆ
)
きて、
香
(
こう
)
の
薫
(
かおり
)
しみつきたる太き
円柱
(
まるばしら
)
の際に寺の本堂に据えられつ
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
赤土
(
あかつち
)
の色きれいに
掃
(
は
)
きたる
一条
(
ひとすじ
)
の道長き、右左、
石燈籠
(
いしどうろう
)
と
石榴
(
ざくろ
)
の樹の小さきと、おなじほどの距離にかはるがはる続きたるを
行
(
ゆ
)
きて、
香
(
こう
)
の
薫
(
かおり
)
しみつきたる太き
円柱
(
まるばしら
)
の
際
(
きわ
)
に寺の本堂に
据
(
す
)
ゑられつ
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その眉の上なる、朱の両方の
円柱
(
まるばしら
)
に
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
円
常用漢字
小1
部首:⼌
4画
柱
常用漢字
小3
部首:⽊
9画
“円柱”で始まる語句
円柱形