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やさか
ふりがな文庫
“
八坂
(
やさか
)” の例文
眼を転ずると、
八坂
(
やさか
)
の塔が眼の前に高く晴れた冬空に
聳
(
そび
)
えて居て、その辺からずつと向うに、四条あたりの街の一部が遠く望まれた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
きょうも彼は、
八坂
(
やさか
)
、
祇園林
(
ぎおんばやし
)
など、
遅桜
(
おそざくら
)
の散りぬく下を、宿の方へ、戻りかけていた。すると誰か、将門将門と、うしろで呼ぶ者がある。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう思うて見るせいか四条の大橋の彼方に並ぶ向う岸の家つづきや
八坂
(
やさか
)
の塔の見える東山あたりには、もう春めいた
陽炎
(
かげろう
)
が立っているかのようである。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
また
尾張
(
をはり
)
の連が祖
意富阿麻
(
おほあま
)
比賣に娶ひて、生みませる御子、
大入杵
(
おほいりき
)
の命、次に
八坂
(
やさか
)
の
入日子
(
いりひこ
)
の命、次に
沼名木
(
ぬなき
)
の入日賣の命、次に
十市
(
とをち
)
の入日賣の命四柱。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
昔は
此
(
この
)
京
(
きょう
)
にして此
妓
(
こ
)
ありと評判は
八坂
(
やさか
)
の塔より高く
其
(
その
)
名は
音羽
(
おとわ
)
の滝より響きし
室香
(
むろか
)
と
云
(
い
)
える
芸子
(
げいこ
)
ありしが、さる程に
地主権現
(
じしゅごんげん
)
の花の色
盛者
(
しょうじゃ
)
必衰の
理
(
ことわり
)
をのがれず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
祇園
(
ぎおん
)
から
八坂
(
やさか
)
の塔の眠れるように、
清水
(
きよみず
)
より大谷へ、
烟
(
けむり
)
とも霧ともつかぬ柔らかな夜の水蒸気が、ふうわりと
棚曳
(
たなび
)
いて、天上の美人が甘い眠りに落ちて行くような気持に
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
八坂
(
やさか
)
の塔だの、
東寺
(
とうじ
)
の塔だの、
知恩院
(
ちおんゐん
)
だの、
金閣寺
(
きんかくじ
)
だの
銀閣寺
(
ぎんかくじ
)
だのがきらきらと映ります。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「冬が来れば、寒かろうとて、わしらばかりでなく、
東寺
(
とうじ
)
や、
八坂
(
やさか
)
の床下に
棲
(
す
)
む子らにまで、古いお着物は恵んで下さるしの」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また
八尺
(
やさか
)
の
入日子
(
いりひこ
)
の命が女、
八坂
(
やさか
)
の
入日賣
(
いりひめ
)
の命に娶ひて、生みませる御子、
若帶日子
(
わかたらしひこ
)
の命
四
、次に
五百木
(
いほき
)
の
入日子
(
いりひこ
)
の命、次に
押別
(
おしわけ
)
の命、次に
五百木
(
いほき
)
の
入
(
いり
)
日賣の命、またの
妾
(
みめ
)
の御子、
豐戸別
(
とよとわけ
)
の王
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
怪物と見えたのは、
笠
(
かさ
)
の代りに、麦ワラを
束
(
たば
)
ねて
被
(
かぶ
)
っていた
八坂
(
やさか
)
の油つぎ坊主が、
灯籠
(
とうろう
)
へ灯を入れていたものであった。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大津
(
おおつ
)
のまちにその弓道の道場をひらいていたころには、
八坂
(
やさか
)
の
塔
(
とう
)
の
怪人
(
かいじん
)
を
射
(
い
)
るいぜんから、
今為朝
(
いまためとも
)
とはやされていた人。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう年ごろ、五十ぢかいが、なお
八坂
(
やさか
)
の古寺に住み、八坂の
覚然
(
かくねん
)
といえば、名うてな悪僧じゃそうな。それが、
真
(
まこと
)
の、清盛の父親だと、自分でいっておるのだからな
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八坂
(
やさか
)
の
不死人
(
ふじと
)
が、陸奥の旅の帰りに立ち寄って、四、五日滞留しているという留守中の事を。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白河の上皇さまに
御寵愛
(
ごちょうあい
)
をうけたことは、かくれもないにせよ、
八坂
(
やさか
)
の僧を忍び
男
(
お
)
としていたなどと、もう二十年もむかしの
古事
(
ふるごと
)
を、いったい、たれがいい出したのでしょう。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仲間同士で呼びあっている名前にしても、
八坂
(
やさか
)
の
不死人
(
ふじと
)
を始めとして、
禿鷹
(
はげたか
)
だの、
毛虫郎
(
けむしろう
)
だの、
保許根
(
ほこね
)
だの、穴彦だの、
蜘蛛太
(
くもた
)
だのというだけで、これにも職業のにおいはない。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
近くの
八坂
(
やさか
)
ノ神の
庭燎
(
にわび
)
、
祇園
(
ぎおん
)
の神鈴など、やはり元朝は何やら
森厳
(
しんげん
)
に明ける。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八
常用漢字
小1
部首:⼋
2画
坂
常用漢字
小3
部首:⼟
7画
“八坂”で始まる語句
八坂寺
八坂瓊
八坂入媛
八坂組
八坂郷
八坂瓊珠
八坂瓊曲玉
八坂入彦皇子
八坂瓊之五百箇御統