先哲せんてつ)” の例文
先哲せんてついはく……君子くんしはあやふきにちかよらず、いや頬杖ほゝづゑむにかぎる。……かきはな、さみだれの、ふるのきにおとづれて……か。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ばつする時は以てたるべし一夫いきどほりをふくめば三年雨降ずと云先哲せんてつの語あり百姓は國の寶人の命は千萬金にも換難かへがたし然るを正直しやうぢき篤實とくじつなる九助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今更いまさらこれをあらためて苗字めうじさきにしのちにするにもおよばない。餘計よけいことであるといふひともあるが、わがはいはさうはおもはない。あやまちてあらたむるにはゞかるなかれとは先哲せんてつ名訓めいくんである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ひる終日ひねもす兵術へいじゆつしうし、よる燈下とうか先哲せんてつとして、治亂ちらん興廢こうはいかうずるなど、すこぶいにしへ賢主けんしゆふうあり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
申立けるこそをかしけれ扨さしも種々いろ/\樣々さま/″\もつれし公事くじ成りしが今日の一度にて取調べすみに相成口書の一だんまでに及びけり嗚呼あゝ善惡ぜんあく應報おうはういちじるしきはあざなへるなはの如しと先哲せんてつ言葉ことばむべなるかな村井長庵は三州藤川在岩井村に生立おひたち幼年えうねんの頃より心底こゝろざまあしく成長するにしたが惡行あくぎやう増長ぞうちやうして友達の勘次郎と云者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)