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先哲
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せんてつ
先哲いはく……
君子はあやふきに
近よらず、いや
頬杖で
讀むに
限る。……
垣の
卯の
花、さみだれの、ふる
屋の
軒におとづれて……か。
罰する時は
士以て
徒たるべし一夫
憤りを
含めば三年雨降ずと云
先哲の語あり百姓は國の寶人の命は千萬金にも
換難し然るを
正直篤實なる九助を
今更これを
改めて
苗字を
先にし
名を
後にするにも
及ばない。
餘計な
事であるといふ
人もあるが、わが
輩はさうは
思はない。
過ちて
改むるに
憚るなかれとは
先哲の
名訓である。
晝は
終日兵術を
修し、
夜は
燈下に
先哲を
師として、
治亂興廢の
理を
講ずるなど、
頗る
古の
賢主の
風あり。
申立けるこそ
笑しけれ扨さしも
種々樣々に
縛れし
公事成りしが今日の一度にて取調べ
濟に相成口書の一
段までに及びけり
嗚呼善惡應報の
著るしきは
索へる
繩の如しと
先哲の
言葉宜なる
哉村井長庵は三州藤川在岩井村に
生立て
幼年の頃より
心底惡く成長するに
隨ひ
惡行増長して友達の勘次郎と云者を