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伊達者
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だてしゃ
ふりがな文庫
“
伊達者
(
だてしゃ
)” の例文
わざと帽子を
阿弥陀
(
あみだ
)
にかぶったり、白いマフラーを
伊達者
(
だてしゃ
)
らしく
纏
(
まと
)
えば纏うほど、泥臭く野暮に見えた。遠くから見ている私の方をむいて
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
(その時私は、いかに自分の
手際
(
てぎわ
)
が鮮やかで、
巴里
(
パリ
)
の
伊達者
(
だてしゃ
)
がやる以上に、スマートで上品な挙動に
適
(
かな
)
つたかを、自分で意識して得意でゐた。)
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
彼女たちは幕府のころ、上野の宮の御用達をつとめた家の愛娘であった。
下谷
(
したや
)
一番の
伊達者
(
だてしゃ
)
——その唄は彼女の娘時代にあてはめる事が出来る。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
主人の源吉は三十そこそこ、歌舞伎役者にもないといわれた男振りと、蔵前の
大通
(
だいつう
)
達を圧倒する派手好きで、その頃江戸中に響いた
伊達者
(
だてしゃ
)
でした。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
また、彼の身に着けている小袖も、常のごつごつした地味なものとは違い、
伊達者
(
だてしゃ
)
の好みそうな大柄の着物を着ていた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
衣服が変わると、わたしの皮膚の色まで変わって、わずか十分というあいだに相当の
伊達者
(
だてしゃ
)
のようになったのです。
世界怪談名作集:05 クラリモンド
(新字新仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
この
煙管
(
きせる
)
を手に入れたのは、思えば、ちょっと、自分に
羞
(
はに
)
かむほど昔のことであった。わかい武士の血が、他方では、
見栄
(
みえ
)
に苦労する
伊達者
(
だてしゃ
)
としてあらわれていたのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
そのマホー(スペインの
伊達者
(
だてしゃ
)
)をめかしやと言い、そのトランステヴェレノ(ローマのチベル彼岸の民)を郭外人と言い、そのハンマル(インドの
籠舁
(
かごかき
)
)を市場人足と言い
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
一列目には幕あき前のひと時を、土地の
伊達者
(
だてしゃ
)
連中が両手をうしろへまわして立っていた。
犬を連れた奥さん
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ほとんど破産に
瀕
(
ひん
)
した
一
(
いち
)
騎兵大佐
(
きへいたいさ
)
にすぎず、母よりも六つも年下であるばかりか、その性格も冷やかで、弱気で
優柔
(
ゆうじゅう
)
で、おまけに
頗
(
すこぶ
)
る女好きな
伊達者
(
だてしゃ
)
であったと伝えられています。
「はつ恋」解説
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
男になるには金がいる、金のなる木を持っていない限り、ちっとやそっとの知行と財産があったからとて、続くものではない。その点は自給自足の道が立たない限り、
伊達者
(
だてしゃ
)
は通らぬ。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と
納戸
(
なんど
)
へ入って、戸棚から持出した
風呂敷包
(
ふろしきづつみ
)
が、その
錦絵
(
にしきえ
)
で、
国貞
(
くにさだ
)
の画が二百余枚、
虫干
(
むしぼし
)
の時、
雛祭
(
ひなまつり
)
、秋の
長夜
(
ながよ
)
のおりおりごとに、
馴染
(
なじみ
)
の
姉様
(
あねさま
)
三千で、
下谷
(
したや
)
の
伊達者
(
だてしゃ
)
、
深川
(
ふかがわ
)
の
婀娜者
(
あだもの
)
が
沢山
(
たんと
)
いる。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「気どり屋、
伊達者
(
だてしゃ
)
、名医先生」ピカ一が後姿へ蛮声をあびせた。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
色街でも引く手は
数多
(
あまた
)
な
伊達者
(
だてしゃ
)
ではいらっしゃるし、お金はあり余るうえ、おまけに、女には人いちばい、お眼が
肥
(
こ
)
えているんだから、めったに
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
事実
伊達者
(
だてしゃ
)
、
通
(
つう
)
、
粋
(
すい
)
といわれる人達の内部生活が、思いの外に貧しいのを、平次はマザマザと見せつけられたような気がして、これ以上追及する気もなくなってしまいました。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
(
下谷
(
したや
)
一番
伊達者
(
だてしゃ
)
でござる。)
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「木戸の
蝶番
(
ちょうつがい
)
に油を
注
(
さ
)
して、
開
(
あ
)
け
閉
(
た
)
てに音の出ないようにした奴だ。——その油は、日本橋の通三丁目で売っている、
伊達者
(
だてしゃ
)
の使う
伽羅油
(
きゃらゆ
)
だ。八、ここにいる人間の頭を嗅いで見ろ」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「これはまた
伊達者
(
だてしゃ
)
に見える。若先生、いちだんと風流姿でございますぞ」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ふうむ……たいそう
伊達者
(
だてしゃ
)
だな、だが、弱くはなさそうだ」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
伊達者
(
だてしゃ
)
の中にまた一倍の伊達者が加わった」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊
漢検準1級
部首:⼈
6画
達
常用漢字
小4
部首:⾡
12画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“伊達”で始まる語句
伊達
伊達巻
伊達政宗
伊達家
伊達卷
伊達男
伊達締
伊達様
伊達安芸
伊達引