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ひとだす
そこで
六部は、これこれこういうわけだから、どうか
人助けだと
思って、二三
日この
犬を
貸してもらえまいかとたのみますと、りょうしは
殊に
娘が十六七、
女盛となつて
来た
時分には、
薬師様が
人助けに
先生様の
内へ
生れてござつたといつて、
信心渇仰の
善男善女?
病男病女が
我も
我もと
詰め
懸ける。
……
処でものは
相談ぢやが、
何とかして、
其の
奥様を
助けると
言ふ
工夫はねえだか、のう、
御坊、
人助けは
此方の
勤ぢや、
一つ
折入つて
頼むだで、
勘考してくらつせえ。
以前激流に
逆つて、
大石を
転ばして
人助けのためにしたと
言ふのも、
第一、かちわたりをすべき
川でないから
石があるのが、
然まで
諸人の
難儀とも
思はれぬ。
往来に
穴があるのとは
訳が
違ふ。