-
トップ
>
-
一袋
>
-
ひとふくろ
「でも、
万一ということがあります。どうか
一袋置かしていただきます。」と、
少年はもう一
度頭を
下げました。
彼は
什麽にしても
無邪氣な
子の
爲に
小さな
菓子の
一袋も
持つて
來なかつたことを
心に
悔いた。
金時計は
當らないで、こんなものが
中つたと
云つて、
袂から
倶樂部洗粉を
一袋出した。
「
此の
藥をやるから、
自分で
貼つた
方がえゝ、
此れで
癒るから」と
醫者は
一袋の
藥を
與へた。
勘次は
卯平にも
子供にも
濟ぬやうな
氣がしたので
近所へ
義理を
足すというて
出て
菓子の
一袋を
懷へ
入れて
來た。
其の
時與吉はもう
眠つて
居た。
卯平は
變なことをすると
思つて
見て
居た。