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りやうけ
其
旧記の
中に元文五年庚申(今より百年まへ)正月廿三日
暁、
湯沢宿の
枝村
掘切村の
后の山より
雪頽不意に
押落し、
其响百
雷の如く、百姓彦右ヱ門浅右ヱ門の
両家なだれにうたれて家つぶれ
其
旧記の
中に元文五年庚申(今より百年まへ)正月廿三日
暁、
湯沢宿の
枝村
掘切村の
后の山より
雪頽不意に
押落し、
其响百
雷の如く、百姓彦右ヱ門浅右ヱ門の
両家なだれにうたれて家つぶれ
求むることはせずとそれ
平生の
詞なるもの
盡未來この
不和の
中解ける
筈なし
數代續きし
兩家のよしみ
一朝にして
絶やさんこと
先祖の
遺旨にも
違ふことなり
世の
人は
愚とも
笑はん
痴とも
見ん
抱持の
不十分さ
甲斐なき
身恨めしくなりて
捨てたしと
思ひしは
咋日今日ならず
我々二人斯くと
聞かば
流石運平が
邪慳の
角も
折れる
心になるは
定なり
我が
親とても
其の
通り
一徹の
心和らぎ
寄らば
兩家の
幸福この
上やある
我々二人世にありては
如何に
千辛萬苦するとも
運平に
後悔の
念も
出まじく
況してや
手を