“みさお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
62.7%
水棹12.0%
貞操10.8%
節操7.2%
三棹1.2%
婦道1.2%
柏舟節1.2%
水竿1.2%
水篙1.2%
1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだうらわかでありながら再縁さいえんしようなどというこころ微塵みじんもなく、どこまでも三浦みうら殿様とのさまみさおとうすとは見上みあげたものである。
夏は、まあええが、冬分ふゆぶんは死ぬ思いじゃったなあ。遠賀川おんががわの洲の岸に、水棹みさおを立てて、それに、舟を綱でもやう。寒風が吹きさらす。雪が降る。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
よくまア貞操みさおを立て通したものだ! ……そのため俺はどんなに怒り、どんなに苦しみ苦しんだことか! ……しかし今になって考えてみれば
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ある時は二人の在処ありかを突留めようと思ったり、ある時は自分の年甲斐としがいも無いことを笑ったり、ある時は美しく節操みさおの無い女の心を卑しんだりして
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
仏壇のある中の間には、マホガニか何かのと、きり箪笥たんすとが三棹みさおも並んでいて、三味線箱しゃみせんばこすみの方においてあった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
わたくしが、世の常の白拍子しらびょうしのように、判官様へ無情つれなくあれば、年老いたあなたに、こんな艱苦かんくはおかけしないでもよいのに……私の婦道みさおのために……お母様までを、憂目うきめに追いやって
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
祝には一人の男の子があったが、こどもの母親は柏舟節みさおを守ることができないで、半年の後に児を置き去りにして他へ嫁入した。嫁に往かれた祝の母は孫の世話をしていたが苦しいので朝夕あさばんに泣いていた。
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
死体はまだ水の中に漬けたままにしてあって、二人が河岸っぷちに寄って行くと、非人がグイと水竿みさおで岸へ引寄せる。
顎十郎捕物帳:03 都鳥 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
纜縄もやひ解く、水篙みさお撞き張る、早緒取り掛けて櫓を推し初むれば、船は忽ち神田川より大川に出で、両国の橋間を過ぎ、見る目も濶き波の上に一羽の鴎と心長閑に浮びて下る。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
お種はとがった神経に触られたような様子して、むっくと身を起した。電燈の光を浴びながら激しく震えた。これ程女のみさおを立て通した自分に、何処どこに非難がある、と彼女の鋭い眼付が言った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)