“ふりま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
振撒45.0%
振播15.0%
振廻15.0%
振舞10.0%
振蒔10.0%
振撤5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
就中なかんずく喫茶店は、貴婦人社会にさるものありとひとりたる深川綾子、花のさかりの春は過ぎても、恋草茂る女盛り、若葉のしずく滴たるごとき愛嬌あいきょうを四方に振撒ふりま
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
場主までわざわざ函館はこだてからやって来た。屋台店や見世物小屋がかかって、祭礼に通有な香のむしむしする間を着飾った娘たちが、刺戟しげきの強い色を振播ふりまいて歩いた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
庄「誠に種々いろ/\御厄介に相成りました、余り不法を申しますから残念に心得、一言二言云うと貴方あなた白刃はくじん振廻ふりまわし、此の狭い路地を荒す無法の奴でございます」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
し、諸君しよくんにして中江兆民なかえてうみん先生せんせいどうしゆであつて、十八零圍氣れいゐき振舞ふりまはして滿足まんぞくしてるならば、諸君しよくんなん權威けんゐあつて、『はるみじかなに不滅ふめついのちぞと』云々うん/\うたひと自由じいう干渉かんせふるぞ。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
要するに二人の客に対して、等分に世辞せじ愛嬌あいきょう振蒔ふりまいたと云うに過ぎまい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すべての外国人に対して日本人に好感情を持たしめようとつとめられる博士は、相変らず食卓の談話に英独仏の三ごく語を使ひ分けて有らゆる愛嬌あいけう振撤ふりまかれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
場内を卓から卓へ軽卒あわたゞしく歩き廻つて何人なにびとにも愛嬌あいけう振撤ふりまくのを見ると其れが人気者たる所以ゆゑんであらう。僕がこの人と物を言ふのは今夜が初めで多分又同時に最後であらう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)