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振撒
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ふりま
ふりがな文庫
“
振撒
(
ふりま
)” の例文
主人
(
あるじ
)
に代って、
店頭
(
みせさき
)
に坐ってお客にお世辞を
振撒
(
ふりま
)
いたり、気の合った
内儀
(
かみ
)
さんの
背後
(
うしろ
)
へまわって髪を
取
(
とり
)
あげてやったりした。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
就中
(
なかんずく
)
喫茶店は、貴婦人社会にさるものありと
衆
(
ひと
)
も
識
(
し
)
りたる深川綾子、花の
盛
(
さかり
)
の春は過ぎても、恋草茂る女盛り、若葉の
雫
(
しずく
)
滴たるごとき
愛嬌
(
あいきょう
)
を四方に
振撒
(
ふりま
)
き
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
又孫の一人も有らうと想はれる老夫人が済ました顔をし
乍
(
なが
)
ら若い男と見ればコンフエツチを
振撒
(
ふりま
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
女優は焼栗のやうに色の黒い王様の御機嫌を取らうとして、いろんな愛嬌を
振撒
(
ふりま
)
いた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
いまなお消え残る一個の船燈を取るより早く、燈を砕き油を船中に
振撒
(
ふりま
)
いて火を放てり、悪魔の舌のごとき焔は見る間に船中を這いまわり、続いて渦巻く黒煙とともに猛火は炎々と立ち昇る
南極の怪事
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
本式にすれば清い
布巾
(
ふきん
)
へ
米利堅粉
(
めりけんこ
)
を
振撒
(
ふりま
)
いてそれで肉をよく包んで湯の中へ入れます。小さく切ったのは早く湯だりますけれども味が悪くなります。しかし急ぐ時は小さく切っても構いません。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
夜光虫の活動は益々
旺
(
さか
)
んになって、海面は見渡す限り、波の動きに
順
(
したが
)
って明滅する蛍光で青白く輝き、観測鏡で覗くと
更
(
さら
)
にその濃淡強弱の交錯がまるで無数の宝玉の砕片を
振撒
(
ふりま
)
くかの様に見える。
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
黄金
(
きん
)
の油を
振撒
(
ふりま
)
けば
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
僕にも
或
(
ある
)
婆さんが
振撒
(
ふりま
)
いたから追掛けて行つて襟元へどつさり入れて遣ると「メルシイ」と礼を言はれた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
と、お世辞を
振撒
(
ふりま
)
いて呉れるのがある。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
火の
粉
(
こ
)
を
振撒
(
ふりま
)
く夏
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
撒
漢検準1級
部首:⼿
15画
“振”で始まる語句
振
振舞
振返
振袖
振向
振顧
振分
振廻
振翳
振子