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ふくくわつ
人の
噂さと
共に
彼女の
傷はだん/\その
生々しさを
失ふことが
出來たけれど、
猶幾度となくその
疼みは
復活した。
彼女は
靜かに
悔ゐることを
知つた。それでも
猶その
悔には
負惜しみがあつた。
蛙は
假死の
状態から
離れて
軟かな
草の
上に
手を
突いては、
驚いたやうな
容子をして
空を
仰いで
見る。さうして
彼等は
慌てたやうに
聲を
放つて
其長い
睡眠から
復活したことを
空に
向つて
告げる。
漸とのことで
現今の
寮が
以前の
幾分の一の
大きさに
再建されるまでには
其の
棚も
無残な
鋸の
齒に
掛つて
居たのである。それでも、
老人等は
念佛の
復活したことに十
分の
感謝と
滿足とを
有つた。
或晩どうして
記憶を
復活させたかおつぎはふいといつた。