“とへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
十重66.7%
33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女の身体は、その中に十重とへ二十重はたへにしばられて、恐るべき速力で何千里と飛んだけれども、その行く先はわからなくなった。すべてが無になった。お葉の意識はすっかり魔睡してしまった。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
かぜ一息ひといきぬ、眞空しんくう一瞬時いつしゆんじには、まちも、屋根やねも、軒下のきしたながれも、屋根やねあつしてはてしなく十重とへ二十重はたへたかち、はるかつらなゆき山脈さんみやくも、旅籠はたご炬燵こたつも、かまも、かましたなるも、はて虎杖いたどりいへ
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そこ/\にきゝなし我が部屋へやいた身拵みごしらへして新造禿を引連兵庫屋へゆく中桐屋へ立寄たちより歌浦さんの御客は上方の衆かととへば女房とんいで御前樣の御言葉おものごしよく御出おいでなさると云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見せてと云ふに女房は何の氣もつかず出して見せれば平四郎と云ふ者の脇差わきざしまがふ方なきをつと幸之進が差料さしれうなり印形と云ひ脇差わきざしと云ひ敵は平四郎にきはまつたりと思ひ其平さんとやらの女郎衆はととへ八重咲樣やへざきさまと云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
尋ぬれば駕籠舁共かごかきどもの云にはお連樣は跡より續いて來給ふなり早く行ねば日がくるると尚も急ぎける故妾も實にさる事と思ひ居し内日は暮て人一人もとほらぬ野原へ舁込だり貴方にはつゞいて來給ふかと度々とへども其後は駕籠舁共は聞ぬふりして一向に返事もせず斯て餘程の道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)