“とえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
十重100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
名状しがたき混乱、倒れた一人の上に、十重とえはたえに折りかさなった人の山、その過半数は例のセルロイド面をつけたままだ。笑いの面の蹴球戦しゅうきゅうせんだ。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これはたいした人気で、あたしのお座は、十重とえにも取りまかれ、頭の上からも押っかぶさるほどに愛された。
かねて合図のあったものか、忽ち天主の頂きからトウトウと聞こえる太鼓の音! 館の四門の方角からドッと起こったときの声! 館は十重とえにも囲まれたらしい。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)