とへ)” の例文
そこ/\にきゝなし我が部屋へやいた身拵みごしらへして新造禿を引連兵庫屋へゆく中桐屋へ立寄たちより歌浦さんの御客は上方の衆かととへば女房とんいで御前樣の御言葉おものごしよく御出おいでなさると云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見せてと云ふに女房は何の氣もつかず出して見せれば平四郎と云ふ者の脇差わきざしまがふ方なきをつと幸之進が差料さしれうなり印形と云ひ脇差わきざしと云ひ敵は平四郎にきはまつたりと思ひ其平さんとやらの女郎衆はととへ八重咲樣やへざきさまと云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
尋ぬれば駕籠舁共かごかきどもの云にはお連樣は跡より續いて來給ふなり早く行ねば日がくるると尚も急ぎける故妾も實にさる事と思ひ居し内日は暮て人一人もとほらぬ野原へ舁込だり貴方にはつゞいて來給ふかと度々とへども其後は駕籠舁共は聞ぬふりして一向に返事もせず斯て餘程の道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)