“さんぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サンゼン
語句割合
燦然75.3%
潸然14.8%
参禅2.5%
三千1.9%
粲然1.9%
參禪1.2%
惨然0.6%
澘然0.6%
燐然0.6%
産前0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天幕の隙間から春の陽が、黄金の征矢そやを投げかけた。紅巾は燦然さんぜんと輝いた。底に一抹の黒味をたたえ、表面は紅玉のように光っていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、死相を帯びながら、瀕死の床に横はつてゐる瑠璃子を見ると、老いた男爵の眼からは、涙が、潸然さんぜんとしてはふり落ちた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
けものにさえ屠所としょのあゆみと云うことわざがある。参禅さんぜん衲子のうしに限った現象とは認められぬ。応用は才人小野さんの上にもく。小野さんは常から世の中に気兼をし過ぎる。今日は一入ひとしお変である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
毎号まいがう三千さんぜんづゝもるやうなわけで、いまつとめて拡張かくちやうすれば非常ひじやうなものであつたのを、無勘定むかんじやう面白半分おもしろはんぶんつてために、つひ大事だいじらせたとはのちにぞ思合おもひあはされたのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
真に是れ無縫天上の錦衣。古は先生の胸中にあつまつて藍玉らんぎよく温潤おんじゆんに、新は先生の筆下より発して蚌珠ぼうしゆ粲然さんぜんたり。
「鏡花全集」目録開口 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勇はここ一週間ばかり、毎晩、奧州松島の瑞巖寺ずゐがんじから來た某師の「碧巖録へきがんろく提唱ていしやうを聽きに行き、その度毎に參禪さんぜんをしてゐた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
すると、阿難は初めて口をひらいて、さて、惨然さんぜんと告げるには
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悲嘆の兩馬澘然さんぜんと、熱き涙をまぶたより
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
そして、彼女の麗わしさを囲繞いじょうし秘蔵しているように思われる燐然さんぜんたる雰囲気の中に、最も微妙に想像された一ついの翼が浮んでいるのが、かろうじて見分けられた。
産前さんぜんとこに横になつてゐる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)