粲然さんぜん)” の例文
最後に護身刀まもりがたなを引抜て真一文字に掻切かききりたる時に、一朶いちだの白気閃めき出で、空に舞ひ上りたる八珠「粲然さんぜんとして光明ひかりをはな」
真に是れ無縫天上の錦衣。古は先生の胸中にあつまつて藍玉らんぎよく温潤おんじゆんに、新は先生の筆下より発して蚌珠ぼうしゆ粲然さんぜんたり。
「鏡花全集」目録開口 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかして富豪の家屋を見ざるなく、容貌俊知ようぼうしゅんちを含むの人を見ざるなく、衣服頭飾粲然さんぜん華麗の人を見ざるなく、一歩を進めて観察を下せば、あるいは力役者の会社のもとに在りて荷物を運搬するあり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)