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參禪
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さんぜん
斯う
云ふ
氣樂な
考で、
參禪してゐる
人もあると
思ふと、
宗助も
多少は
寛ろいだ。けれども三
人が
分れ/\に
自分の
室に
入る
時、
宜道が
勇はここ一週間ばかり、毎晩、奧州松島の
瑞巖寺から來た某師の「
碧巖録」
提唱を聽きに行き、その度毎に
參禪をしてゐた。
宗助は
此若い
僧が、
今朝夜明がたに
既に
參禪を
濟まして、
夫から
歸つて
來て、
飯を
炊いでゐるのだといふ
事を
知つた。
然し
自分は
未だ
嘗て
參禪といふ
事をした
經驗がないと
自白した。もし
詳しい
話が
聞きたければ、
幸ひ
自分の
知り
合によく
鎌倉へ
行く
男があるから
紹介してやらうと
云つた。