“さめざめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
潸々29.4%
潜々29.4%
潸然23.5%
潜然17.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
台所には蕗子の妹で十三か四になる艶子つやこが、近所の内儀おかみさんたち二三人に囲まれて、畳に打伏したまま潸々さめざめと泣いていました。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
昨夜ゆうべ鶴原未亡人に丸うつしと思ったのが、あくる朝は似ても似つかぬ顔になっていたこともあった。その時私は潜々さめざめと泣き出して女に笑われた。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「何にも喰べられやしませんわ。」とにべの無い返事をして、菊枝は何か思出してまた潸然さめざめとするのである。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
潜然さめざめと心が泣きながら、自分で自分に後指さしながら、たゞ目の前の充実を計る。あの人に甘える。さうしてあの人が、私と同じ心持に引下つて来ないといつてふくれる。
脱殻 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)