トップ
>
聲
>
ごゑ
ふりがな文庫
“
聲
(
ごゑ
)” の例文
新字:
声
飛
(
と
)
ぶときはその
翅
(
はね
)
が
實
(
じつ
)
に
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
に
閃
(
ひらめ
)
きます。この
鳥
(
とり
)
は
羽
(
はね
)
も
綺麗
(
きれい
)
ですが、
鳴
(
な
)
き
聲
(
ごゑ
)
も
美
(
うつく
)
しく、「ぶっ、ぽう、そう」と
鳴
(
な
)
きつゞけます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
女同士
(
をんなどうし
)
はわあと
只
(
たゞ
)
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
發
(
はつ
)
して
各自
(
てんで
)
に
對手
(
あひて
)
を
突
(
つ
)
いたり
叩
(
たゝ
)
いたりして
亂
(
みだ
)
れつゝ
騷
(
さわ
)
いだ。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
がおつぎの
髮
(
かみ
)
へひよつと
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
今度
(
こんど
)
は
二
(
ふた
)
つの
叫
(
さけ
)
び
聲
(
ごゑ
)
がして、
又
(
また
)
硝子
(
ガラス
)
のミリ/\と
破
(
わ
)
れる
音
(
おと
)
がしました。『
胡瓜
(
きうり
)
の
苗床
(
なへどこ
)
が
幾
(
いく
)
つあるんだらう!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
はて
誰
(
た
)
れでも
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
よ
此姿
(
このすがた
)
に
何
(
なに
)
として
見覺
(
みおぼ
)
えがあるものかと
自問自答
(
じもんじたふ
)
折
(
をり
)
しも
樓婢
(
ろうひ
)
のかなきり
聲
(
ごゑ
)
に、
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
から
來
(
き
)
た
車夫
(
くるまや
)
さんはお
前
(
まへ
)
さんですか。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
實際
(
じつさい
)
、
彼
(
かれ
)
は
驛員
(
えきゐん
)
の
呼
(
よ
)
び
聲
(
ごゑ
)
に、
疾
(
と
)
く
此
(
こ
)
の
停車場
(
ステイシヨン
)
の
名
(
な
)
は
聞
(
き
)
いて
心得
(
こゝろえ
)
たので。
空
(
そら
)
も
山
(
やま
)
も、
餘
(
あま
)
りの
色彩
(
いろどり
)
に、
我
(
われ
)
は
果
(
はた
)
して
何處
(
いづこ
)
にありや、と
自
(
みづか
)
ら
疑
(
うたが
)
つて
尋
(
たづ
)
ねたのであつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
支那語
(
しなご
)
の
達者
(
たつしや
)
な
友人
(
いうじん
)
は
早速
(
さつそく
)
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
交
(
まじ
)
へながら
女
(
をんな
)
と
何
(
なに
)
やら
話
(
はな
)
しはじめたが、
僕
(
ぼく
)
は
至極
(
しごく
)
手持
(
ても
)
ち
無沙汰
(
ぶさた
)
である。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「
何
(
なに
)
がそんなに
可笑
(
をか
)
しいの、
清
(
きよ
)
」と
御米
(
およね
)
が
障子越
(
しやうじごし
)
に
話
(
はな
)
し
掛
(
か
)
ける
聲
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
清
(
きよ
)
はへえと
云
(
い
)
つて
猶
(
なほ
)
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
した。
兄弟
(
きやうだい
)
は
何
(
なん
)
にも
云
(
い
)
はず、
半
(
なか
)
ば
下女
(
げぢよ
)
の
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
に
耳
(
みゝ
)
を
傾
(
かたむ
)
けてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところがなか/\
死
(
し
)
に
切
(
き
)
れないので、その
悲
(
かな
)
しい
泣
(
な
)
き
聲
(
ごゑ
)
が、
天皇
(
てんのう
)
の
御殿
(
ごてん
)
にまで
聞
(
きこ
)
えて
來
(
き
)
ました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
さういふ
度
(
たび
)
に
子供同志
(
こどもどうし
)
の
揚
(
あ
)
げる
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
聞
(
き
)
くのも
樂
(
たのし
)
みでした。
自分
(
じぶん
)
の
着物
(
きもの
)
についた
雪
(
ゆき
)
をはらつて
復
(
また
)
滑
(
すべ
)
りに
行
(
ゆ
)
くのも
樂
(
たのし
)
みでした。どうかすると
凍
(
こゞ
)
つて
鏡
(
かゞみ
)
のやうに
光
(
ひか
)
つて
來
(
き
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ヂュリ
何
(
なん
)
で
予
(
わし
)
に
氣
(
き
)
を
揉
(
もま
)
すのぢゃ?
其樣
(
そのやう
)
な
怖
(
おそろ
)
しい
唸
(
うな
)
り
聲
(
ごゑ
)
は
地獄
(
ぢごく
)
でなうては
聞
(
き
)
かれぬ
筈
(
はず
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
前髮
(
まへがみ
)
を
切
(
き
)
り
下
(
さげ
)
て
可愛
(
かはゆ
)
く
之
(
これ
)
も
人形
(
じんぎやう
)
のやうに
順
(
おとな
)
しくして
居
(
ゐ
)
る
廣庭
(
ひろには
)
では六十
以上
(
いじやう
)
の
而
(
しか
)
も
何
(
いづ
)
れも
達者
(
たつしや
)
らしい
婆
(
ばあ
)
さんが三
人立
(
にんたつ
)
て
居
(
ゐ
)
て
其
(
その
)
一人
(
ひとり
)
の
赤兒
(
あかんぼ
)
を
脊負
(
おぶつ
)
て
腰
(
こし
)
を
曲
(
ま
)
げ
居
(
を
)
るのが
何事
(
なにごと
)
か
婆
(
ばあ
)
さん
聲
(
ごゑ
)
を
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
もう
勘忍
(
かんにん
)
してくれ、お
前
(
まへ
)
のために
苦
(
くる
)
しみぬいてゐる、その
鳴
(
な
)
き
聲
(
ごゑ
)
は
殺人的
(
さつじんてき
)
だ。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
此頃
(
このごろ
)
では
大概
(
たいがい
)
左翼
(
レフト
)
の
方
(
ほう
)
へ
廻
(
まは
)
して
居
(
を
)
るが、
先生
(
せんせい
)
其處
(
そこ
)
からウンと
力
(
ちから
)
を
込
(
こ
)
めて
熱球
(
ダイレクト
)
を
投
(
な
)
げると、
其
(
その
)
球
(
たま
)
がブーンと
捻
(
うな
)
り
聲
(
ごゑ
)
を
放
(
はな
)
つて
飛
(
と
)
んで
來
(
く
)
る
有樣
(
ありさま
)
、イヤ
其
(
その
)
球
(
たま
)
が
頭
(
あたま
)
へでも
當
(
あた
)
つたら、
此世
(
このよ
)
の
見收
(
みをさ
)
めだと
思
(
おも
)
ふと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
在木
(
ありき
)
の
枝
(
えだ
)
に
色鳥
(
いろどり
)
の
咏
(
なが
)
め
聲
(
ごゑ
)
する
日
(
ひ
)
ながさを
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
かけ
聲
(
ごゑ
)
高
(
たか
)
き
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
『モ
一度
(
いちど
)
合唱
(
がつせう
)
を!』とグリフォンが
叫
(
さけ
)
びました、
海龜
(
うみがめ
)
がそれを
繰返
(
くりかへ
)
さうとした
時
(
とき
)
に
丁度
(
ちやうど
)
、『
審問
(
しんもん
)
始
(
はじ
)
め!』の
叫
(
さけ
)
び
聲
(
ごゑ
)
が
遠方
(
えんぱう
)
に
聞
(
きこ
)
えました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
客來
(
きやくらい
)
にやあらん
折
(
をり
)
わろかりと
歩
(
ほ
)
を
返
(
かへ
)
せしが、さりとも
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
しものを
此
(
この
)
まま
歸
(
かへ
)
るも
無益
(
むやく
)
しゝと、
庭
(
には
)
より
廻
(
め
)
ぐりて
椽
(
ゑん
)
に
上
(
あが
)
れば、
客間
(
きやくま
)
めきたる
所
(
ところ
)
に
話
(
はな
)
し
聲
(
ごゑ
)
す
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
漸
(
やうや
)
くにして
柄杓
(
ひしやく
)
の
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
つて
再
(
ふたゝ
)
び
茶釜
(
ちやがま
)
の
蓋
(
ふた
)
をした
時
(
とき
)
俄
(
にはか
)
にぼうつと
立
(
た
)
つた
焔
(
ほのほ
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いた。
彼
(
かれ
)
が
思
(
おも
)
はず
後
(
うしろ
)
を
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
與吉
(
よきち
)
の
驚愕
(
きやうがく
)
から
發
(
はつ
)
せられた
泣
(
な
)
き
聲
(
ごゑ
)
が
耳
(
みゝ
)
を
打
(
う
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
如何
(
いか
)
に
卑
(
いや
)
しうても
大事
(
だいじ
)
ない、
一思
(
ひとおも
)
ひに
死
(
し
)
ぬ
法
(
はふ
)
は
無
(
な
)
いか?……「
追放
(
つゐはう
)
」……「
追放
(
つゐはう
)
」で
殺
(
ころ
)
さるゝのは
俺
(
おれ
)
ゃ
否
(
いや
)
ぢゃ! おゝ、
御坊
(
ごばう
)
よ、
追放
(
つゐはう
)
とは
墮獄
(
だごく
)
の
輩
(
やから
)
が
用
(
もち
)
ふる
語
(
ことば
)
、
唸
(
うな
)
り
聲
(
ごゑ
)
が
附物
(
つきもの
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
同時
(
どうじ
)
に
一室
(
ひとま
)
措
(
お
)
いた
奧
(
おく
)
の
居室
(
へや
)
から
震
(
ふる
)
へ
聲
(
ごゑ
)
で、
何
(
なん
)
でせうね。
更
(
さら
)
に、
一寸
(
ちよつと
)
何
(
なん
)
でせうね。
止
(
や
)
むことを
得
(
え
)
ず、えゝ、
何
(
なん
)
ですか、
音
(
おと
)
がしますが、と、
之
(
これ
)
をキツカケに
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
あ
)
けた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鳴
(
な
)
き
聲
(
ごゑ
)
も
雷
(
らい
)
のように
強
(
つよ
)
く、いかにも
高山
(
こうざん
)
の
頂
(
いたゞ
)
きに
棲
(
す
)
む
鳥
(
とり
)
にふさはしい
丈夫
(
じようぶ
)
そうな
鳥
(
とり
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「みんな
眠
(
ねむ
)
つちやいかん‥‥」と、
時時
(
ときどき
)
我我
(
われわれ
)
の
分隊長
(
ぶんたいちやう
)
の
高岡軍曹
(
たかをかぐんそう
)
は
無理作
(
むりづく
)
りのドラ
聲
(
ごゑ
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げた。が、
中根
(
なかね
)
ばかりではない、どの
兵士達
(
へいしたち
)
ももうそれに
耳
(
みみ
)
を
假
(
か
)
すだけの
氣力
(
きりよく
)
はなかつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
咏
(
なが
)
め
聲
(
ごゑ
)
してさへづる。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
喧
(
かしま
)
しき
田畑
(
たはた
)
の
人聲
(
ひとごゑ
)
と(
愛
(
あい
)
ちやんの
知
(
し
)
つてる)
變
(
へん
)
じました、——
遠方
(
ゑんぱう
)
に
聞
(
きこ
)
ゆる
家畜
(
かちく
)
の
唸
(
うな
)
り
聲
(
ごゑ
)
は、
海龜
(
うみがめ
)
の
重々
(
おも/\
)
しき
歔欷
(
すゝりなき
)
であつたのです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
何
(
なに
)
爲
(
す
)
んだな、おとつゝあ」おつぎは
慌
(
あわ
)
てゝ
顏
(
かほ
)
を
捩
(
ね
)
ぢ
向
(
む
)
けて
少
(
すこ
)
し
泣
(
な
)
き
聲
(
ごゑ
)
で
寧
(
むし
)
ろ
鋭
(
するど
)
くいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
流石
(
さすが
)
に
氣根
(
きこん
)
も
竭果
(
つきは
)
てけん
茫然
(
ばうぜん
)
として
立
(
たち
)
つくす
折
(
をり
)
しも
最少
(
もすこ
)
し
參
(
まゐ
)
ると
御座
(
ござ
)
いませうと
話
(
はな
)
し
聲
(
ごゑ
)
して
黒
(
くろ
)
き
影
(
かげ
)
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
りぬ、
天
(
てん
)
の
與
(
あた
)
へ
人
(
ひと
)
こそ
來
(
き
)
つれ
外
(
はづ
)
すまじと
勇
(
いさ
)
み
立
(
たつ
)
て
進
(
すゝ
)
み
寄
(
よ
)
ればはて
何
(
なん
)
とせん
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
戸外
(
おもて
)
を
吹
(
ふき
)
すさぶ
風
(
かぜ
)
のまぎれに、かすれ
聲
(
ごゑ
)
を
咳
(
せき
)
して、いく
度
(
たび
)
か
話
(
はなし
)
が
行違
(
ゆきちが
)
つて
漸
(
やつ
)
と
分
(
わか
)
つた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まるで
酒場
(
さかば
)
の
醉
(
よ
)
ひどれのやうな
兵士
(
へいし
)
の
集團
(
しふだん
)
は
濕
(
しめ
)
つた
路上
(
ろじやう
)
に
重
(
おも
)
い
靴
(
くつ
)
を
引
(
ひ
)
き
摺
(
ず
)
りながら、
革具
(
かはぐ
)
をぎゆつぎゆつ
軋
(
きし
)
らせながら
劍鞘
(
けんざや
)
を
互
(
たがひ
)
にかち
合
(
あは
)
せながら、
折折
(
をりをり
)
寢言
(
ねごと
)
のやうな
唸
(
うな
)
り
聲
(
ごゑ
)
を
立
(
た
)
てながら
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
白粉
(
おしろい
)
をつけぬがめつけ
物
(
もの
)
なれど
丸髷
(
まるまげ
)
の
大
(
おほ
)
きさ、
猫
(
ねこ
)
なで
聲
(
ごゑ
)
して
人
(
ひと
)
の
死
(
し
)
ぬをも
搆
(
かま
)
はず、
大方
(
おほかた
)
臨終
(
おしまい
)
は
金
(
かね
)
と
情死
(
しんじう
)
なさるやら、
夫
(
そ
)
れでも
此方
(
こち
)
どもの
頭
(
つむり
)
の
上
(
あが
)
らぬは
彼
(
あ
)
の
物
(
もの
)
の
御威光
(
ごいくわう
)
、さりとは
欲
(
ほ
)
しや
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あたりは
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を
引
(
ひ
)
つ
擔
(
かつ
)
いで、や
聲
(
ごゑ
)
を
掛
(
か
)
けて、
卍巴
(
まんじともえ
)
を、
薙立
(
なぎた
)
て
薙立
(
なぎた
)
て
驅出
(
かけだ
)
した。
三里
(
さんり
)
の
山道
(
やまみち
)
、
谷間
(
たにま
)
の
唯
(
たゞ
)
破家
(
やぶれや
)
の
屋根
(
やね
)
のみ、
鷲
(
わし
)
の
片翼
(
かたつばさ
)
折伏
(
をれふ
)
した
状
(
さま
)
なのを
見
(
み
)
たばかり、
人
(
ひと
)
らしいものの
影
(
かげ
)
もなかつたのである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いひさしてお
力
(
りき
)
は
溢
(
あふ
)
れ
出
(
いづ
)
る
涙
(
なみだ
)
の
止
(
と
)
め
難
(
がた
)
ければ
紅
(
くれな
)
ひの
手巾
(
はんけち
)
かほに
押當
(
おしあて
)
て
其端
(
そのはし
)
を
喰
(
く
)
ひしめつゝ
物
(
もの
)
いはぬ
事
(
こと
)
小半時
(
こはんとき
)
、
坐
(
ざ
)
には
物
(
もの
)
の
音
(
おと
)
もなく
酒
(
さけ
)
の
香
(
か
)
したひて
寄
(
よ
)
りくる
蚊
(
か
)
のうなり
聲
(
ごゑ
)
のみ
高
(
たか
)
く
聞
(
きこ
)
えぬ。
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
やがて
立
(
た
)
つて、
目
(
め
)
を
尖
(
とが
)
らし、しやがれ
聲
(
ごゑ
)
して
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
はあるもの
飯田町
(
いひだまち
)
の
學校
(
がくかう
)
より
歸
(
かへ
)
りがけ、
日暮
(
ひく
)
れ
前
(
まへ
)
の
川岸
(
かし
)
づたひを
淋
(
さび
)
しく
來
(
く
)
れば、うしろより、
掛
(
か
)
け
聲
(
ごゑ
)
いさましく
駈
(
か
)
け
拔
(
ぬ
)
けし
車
(
くるま
)
のぬしは
令孃
(
ひめ
)
なりけり、
何處
(
いづく
)
の
歸
(
かへ
)
りか
高髷
(
たかまげ
)
おとなしやかに
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
人
(
ひと
)
の
好
(
い
)
い
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
入相
(
いりあひ
)
の
鐘
(
かね
)
の
聲
(
こゑ
)
陰
(
いん
)
に
響
(
ひゞ
)
きて
塒
(
ねぐら
)
にいそぐ
友烏
(
ともがらす
)
今宵
(
こよひ
)
の
宿
(
やど
)
りの
侘
(
わび
)
しげなるに
誰
(
た
)
が
空
(
うつ
)
せみの
夢
(
ゆめ
)
の
見初
(
みはじ
)
め、
待合
(
まちあひ
)
の
奧二階
(
おくにかい
)
の
爪彈
(
つめび
)
きの
三下
(
さんさが
)
り
簾
(
すだれ
)
を
洩
(
も
)
るゝ
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
低
(
ひく
)
く
聞
(
きこ
)
えて
思
(
おも
)
はず
停
(
とま
)
る
行人
(
ゆくひと
)
の
足元
(
あしもと
)
、
狂
(
くる
)
ふ
煩惱
(
ぼんなう
)
の
犬
(
いぬ
)
の
尻尾
(
しつぽ
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ふるへ
聲
(
ごゑ
)
で
又
(
また
)
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“聲(
声
)”の解説
声(こえ、聲、en: voice)は、動物の発声器官から発せられる音である。本項ではヒトの口や喉から発せられる音(人声)について扱う。
(出典:Wikipedia)
聲
部首:⽿
17画
“聲”を含む語句
低聲
聲色
笑聲
鋭聲
大聲
一聲
聲音
高聲
音聲
聲高
假聲
御聲
鹽辛聲
名聲
小聲
呼聲
泣聲
喊聲
濁聲
猫撫聲
...