“停車場”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ていしゃば19.8%
ステーション18.9%
ていしゃじょう14.7%
ステエション7.8%
ていしやぢやう6.0%
ステーシヨン6.0%
ていしやば6.0%
ステエシヨン4.1%
ステイション3.7%
ステイシヨン3.2%
すてーしょん1.4%
すていしょん1.4%
ギヤアル0.9%
ステェション0.9%
すてえしょん0.9%
スタンド0.5%
ステンショ0.5%
ステンシヨン0.5%
きやくまち0.5%
すていしよん0.5%
すてーしよん0.5%
ていしやじよう0.5%
ガアル0.5%
ワグザル0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
汽車にでも乗って出懸でかけようと、例の赤手拭あかてぬぐいをぶら下げて停車場ていしゃばまで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二十年前大学の招聘しょうへいに応じてドイツを立つ時にも、先生の気性を知っている友人は一人ひとり停車場ステーションへ送りに来なかったという話である。
ケーベル先生の告別 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「もうじきわし停車場ていしゃじょうだよ」カムパネルラがこうぎしの、三つならんだ小さな青じろい三角標さんかくひょうと、地図とを見くらべていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
停車場ステエションうしろは、突然いきなり荒寺の裏へ入った形で、ぷんと身にみるの葉のにおい、鳥の羽ででられるように、さらさらと——袖が鳴った。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
パデレウスキイといへば波蘭ポーランドの聞えた音楽家だが、最近米国に渡つた時、ある日勃士敦ボストン停車場ていしやぢやうで汽車を待ち合せてゐた事があつた。
屋臺店をやゝ大きくした程の停車場ステーシヨンを通り拔けると、小池は始めて落ちついた心持ちになつたらしく、燐寸まつちつてゆツたりと紙卷煙草かみまきたばこを吹かした。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
みなぎるばかりひかりつて、しかかるい、川添かはぞひみち二町にちやうばかりして、しろはしえたのが停車場ていしやばから突通つきとほしのところであつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
牛乳とか玉子とか草花の束ねたのとかを停車場ステエシヨンごとに女が賣りに來る。私の机の上にも古い鑵に水を入れて差された鈴蘭の花があつた。
巴里まで (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
いつの間にか、トチトチトン、のんきらしいひびきに乗って、駅と書いた本所停車場ステイションの建札も、うまやと読んで、白日、菜の花をながむる心地。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今夜遅く伯林ベルリンに赴く三浦財部たからべの二学士を始め久しく船中の生活を共にした永島事務長や牧野会計が停車場ステイシヨンへ見送りに来てれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
時間にはおくれたれどともかくも停車場すてーしょんおもむかんと大原は中川家を辞して門外へでたる途端とたん、走り寄って武者振むしゃぶくお代嬢
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
国元の親爺の停車場すていしょん送りの外は、絶えて頼んだことの無い宿車を頼んで、出かけたです、土手下に車を置かせ僕は川べりに屈んで竿をおろしたでせう。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
窓掛の間から野性の雛芥子ひなげしの燃える樣なの色が見える。四時と云ふのに一分の違ひも無しに巴里の北の停車場ギヤアルに着いた。
巴里まで (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
停車場ステェション前で饂飩うどんで飲んだ、臓府ぞうふがさながら蚯蚓みみずのような、しッこしのない江戸児擬えどッこまがいが、どうして腹なんぞ立て得るものかい。ふん、だらしやない。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
咽喉のどが悪いとて療治をして居ると云うが如何だろう、と好奇心も手伝うて、午後独歩どっぽ荻窪おぎくぼ停車場すてえしょんさして出かける。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
電燈の明るくともった小さな白塗のモダーンな停車場スタンドの前には、鉄道の踏切みたいな遮断機が、関所のように道路を断ち切っている。
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
ガランとした停車場ステンショを出てくると、真正面に聳え立っている赤煉瓦造りの大時計を斜めに秋燕が。秋の日が青磁の色に沈みかけていた。それが馬鹿に寂しく見えた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
はいもと彼等あすこで六だうせんを取つて、どうやらうやらくらしてりましたが、今度こんど此処こゝ停車場ステンシヨン出来できるについて、茶屋ちやゝを出したらからうといふ人のすゝめにまかせて、茶屋ちやゝを始めましたが
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
少し我達おれたち利益ためになることをいふと、『中止ツ』て言やがるんだ、其れから後で、弁士の席へ押しかけて、警視庁が車夫の停車場きやくまちに炭火を許す様に骨折てほしいつて頼んでると
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
『いいわ。どうかなるわ。けれどあなた一寸ちよつと新橋の停車場すていしよんへ電話で聞いて見て下すつても好いわ。あのう、食堂車の前の箱ですつて。』
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
七条の停車場すてーしよんといへば、新橋梅田の、それ程にこそ雑踏せざれ。四時の遊客絶え間なき、京は日本の公園なれや。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
大正十四年たいしようじゆうよねん但馬地震たじまぢしんおいて、豐岡町とよをかまち被害状況ひがいじようきよう概報がいほうに、停車場ていしやじよう前通まへどほ四五町しごちようあひだ町家ちようか將棊倒しようぎだふしにつぶれたとあつたが、震災地しんさいちはじめて見學けんがくした一學生いちがくせい其實状そのじつきよう
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
差詰めブウルワアルとも云ふべき都會の大道が、自分の眼には倉庫の暗い蔭に荷物汽車が亂雜に置いてある停車場ガアルの裏手のやうに見えた。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
けさ着いた停車場ワグザルの建物をすぐ眼のまえに見せて、鬱金うこん木綿の筒っぽのどてらのようなものに尨大な毛の帽子をいただいた支那人の御者が、車輪から車体から座席
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)