こひ)” の例文
新字:
内山君うちやまくん足下そくか此位このくらゐにしてかう。さてかくごとくにぼくこひ其物そのもの隨喜ずゐきした。これは失戀しつれんたまものかもれない。明後日みやうごにちぼく歸京きゝやうする。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
らうこゝろをつけて物事ものごとるに、さながらこひこゝろをうばゝれて空虚うつろなりひとごとく、お美尾みを美尾みをべばなにえとこたゆることばちからなさ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
りよ行の時にはもうこひ人のやうな伴侶はんりよで、撮影さつえい現像げんぞうつけ技量ぎれう自然しぜんと巧くなつて、學校での展覽會てんらんくわいでは得意とくいな出ひんぶつであり
あゝ、おれいままでにこひをしたか? やい、まなこよ、せなんだと誓言せいごんせい! 今夜こんやといふ今夜こんやまでは、まこと美人びじんをばなんだわい。
銀鞍ぎんあん少年せうねん玉駕ぎよくが佳姫かき、ともに恍惚くわうこつとしてたけなはなるとき陽炎かげろふとばりしづかなるうちに、木蓮もくれんはなひとひとみな乳房ちゝごとこひふくむ。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もうたび懲々こり/\でした。そうおもふと、自分じぶんいへこひしくつてこひしくつてたまりません。はやくかえらう。はやくかえらう。と、……………………
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
こひといふ程のことをした經けんのない彼には、この町のどこにもそれとなく見て別れを告げねばならぬやうな少女はゐないのであるが、通りのずつと向うの方に
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
それから自分じぶん學校時代がくかうじだいによく進撃しんげきしたやぶそばや梅月ばいげつことや、其他そのほか樣々さま/″\こと懷想くわいさうして、つばさあらばんでもきたいまで日本につぽんこひしくなつたこと度々たび/\あつたが
そのかへるつて生長せいちやうするうちに、いくくみいくくみこひ泥渠どぶなか成立せいりつする。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あづかり歸りしが或日兩親の居ぬひまかんがへ右の文をわたしければお高は容體かたちを改め其方そなたは主人の娘にこひ執持とりもち爲事なすこと不埓ふらち千萬なりかさねて斯樣なる事をなさばためになるまいぞと嚴敷きびしくはづかしめて文を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こひ」の玉座ぎよくざは、さはいへど、そこにしもあらじ、そらとほ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
『じや、おたがひこひしたね。きつと。』
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
きよまるこひのゆるされ』を。』
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
いのちみじかし、こひせよ、少女をとめ
ゴンドラの唄 (旧字旧仮名) / 吉井勇(著)
こひせぬものはなかりけり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
こひ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おなひとですら其通そのとほり、いはんやかつこひちかられたことのないひと如何どうして他人たにんこひ消息せうそくわからう、そのたのしみわからう、其苦そのくるしみわからう?。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いま苦勞くらうこひしがるこゝろづべし、かたちよくうまれたる不幸ふしやはせ不相應ふさうおうゑんにつながれていくらの苦勞くらうをさすることあはれさのまされども
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ベンヺ こりゃなんでも、かくれて、夜露よつゆれのまくという洒落しゃれであらう。こひめくらといふから、やみちょうどおあつらへぢゃ。
だから、ふくろのこゑは、はなしおほかみがうなるのにまぎれよう。……みゝづくのはうは、木精こだまこひをする調子てうしだとおもへばい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
出しても其手は勿々なか/\くはぬ夫よりは御前方も一文もらひの苦しまぎひんの盜みにこひの歌とやら文右衞門さんが不※ふと出來心できごころにて盜まれしと言つた方が罪がかるい其所はわたしが心一つで取計らひ質を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
無言むごん辿たどこひなかの深き二人ふたり眼差まなざし
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
いのちみじかし、こひせよ、少女をとめ
ゴンドラの唄 (旧字旧仮名) / 吉井勇(著)
こひ』はひとりぞ羽含はぐくまめ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
十八こひりそめて
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
こひちからである、ひと抵抗ていかうすることの出來できないちからである。此力このちから認識にんしきせず、また此力このちからおさるとおもひとは、此力このちかられなかつたひとである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
たのみにして今日けふまでもすごせしなりとひたけれどじようさまのこひこひにもあさふかさのあるべきならずれまだ其事そのこと
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
言寄いひよことばかこまれても、こひするまなこおそはれても、いっかなこゝろうごかさぬ、賢人けんじん墮落だらくさする黄金こがねにも前垂まへだれをばひろげぬ。
半日はんにち散策さんさく神祇しんぎあり、釋教しやくけうあり、こひあり、無常むじやうあり、けいあり、ひとあり、したがうてまたじやうあり、ぜにすくなきをいかにせむ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あざむくと藤重は吾助に思はれ物をも多くもらひ花見遊山ゆさんなどにつれらるゝを甚だ心よくは思はねども商賣柄しやうばいがらなれば愛敬あいきやうを失ひては成ずと表面うはべにはうれしきていをなして同道せしが其折々無理むりなるこひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たとへそれ、「まこと」は「こひ」の眞心まごころ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
いのちみじかし、こひせよ、少女をとめ
ゴンドラの唄 (旧字旧仮名) / 吉井勇(著)
たもとほりにしこひは。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
こひ附子矢ぶすやきずつかば
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
此家こヽにも學校がくかうにも腦病なうびやう療養れうやう歸國きこくといひて、たちいでしまヽ一月ひとつきばかりを何處いづくひそみしか、こひやつこのさても可笑をかしや、香山家かやまけ庭男にはをとこみしとは。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
にしき面影おもかげめた風情ふぜいは、山嶽さんがく色香いろかおもひくだいて、こひ棧橋かけはしちた蒼空あをぞらくも餘波なごりのやうである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はぬ浮世うきよ樣々さま/″\には如何いかなることやひそむらん、いまむかしのなみだたねこひならぬ懺悔物ざんげものがたり、くもかなしきうへあり、はるふけてにしむかぜ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こひこゝろはどんなのだえ。おもうてふとか、はないとか、しのぶ、つ、うらむ、いろ/\あるわね。」
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こひ一人ひとりやすかりける、何事なにごとはじおもはじ、おふせられてもたまはるなとて、あかつきつきかげわかちしが、これよりひめ如何いかりけん、さてさとし如何いかりけん
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こひこゝろはどんなのだえ。おもうてふとか、はないとか、しのぶ、つ、いろ/\あるわねえ。」
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
むにめたきいた引裾ひきすそながくゑんがはにでゝ、用心口ようじんぐちよりかほさしいだし、たまよ、たまよ、と二タこゑばかりんで、こひくるひてあくがるゝ主人しゆじんこゑ聞分きくわけぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もまだちない。かたち何處どこか、かげえない。かね氣短きみじかなのはつてる。こと御病氣ごびやうきなにかのおなぐさみらうものを、はやく、とおもふが見當みあたらない。蓑蟲みのむしこひしくまよつた。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先方さきからもくちしてふたことはなし、此方こちらなほさら、これはとりとまらぬゆめやうこひなるを、おもつて仕舞しまへ、おもつて仕舞しまへ、あきらめて仕舞しまはうとこゝろさだめて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
去年きよねんことである。一雨ひとあめに、打水うちみづに、朝夕あさゆふ濡色ぬれいろこひしくる、かわいた七月しちぐわつのはじめであつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あまりにこひしうなつかしきをりみづかすこしははづかしきおもひ、如何いかなるゆゑともしるにかたけれど、且那だんなさまおはしまさぬとき心細こゝろほそへがたう、あにともおやとも頼母たのもしきかたおもはれぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うまし、かるたくわいいそわかむねは、駒下駄こまげた撒水まきみづすべる。こひうたおもふにつけ、夕暮ゆふぐれ線路せんろさへ丸木橋まるきばし心地こゝちやすらむ。まつらす電車でんしやかぜに、春着はるぎそで引合ひきあはごころ風情ふぜいなり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんぞやあともかたもこひいそあはびの只一人ひとりものおもふとは、こゝろはんもうらはづかし、人知ひとしらぬこゝろなやみに、昨日きのふ一昨日をとゝひ雪三せつざう訪問おとづれさへ嫌忌うるさくて、ことばおほくもはさゞりしを
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こひか、三十日みそかかにせたのは、また白銅はくどうあはせて、銀貨入ぎんくわいれ八十五錢はちじふごせんふのもある……うれしい。ほんこゝろざしと、藤間ふぢま名取なとりで、嬌態しなをして、水上みなかみさんのたもとれるのがある。……うまい。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今日の文のぬしは我が昔しのこひ人、今よりは仇に成りて我が心のほだしはれのみ、斷たずば止むまじき執着を、これをもこひといふかや、我れは知らねど憎くきは彼の人なり
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
にやくねれる、こひにやなやめる、避暑ひしよころよりしていまみやこかへらざる、あこがれのひとみをなぶりて、かぜ音信おとづるともあらず、はら/\と、はじかき銀杏いてふつゝゆびしなへるは
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)