“打水”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うちみず65.0%
うちみづ35.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紅提灯ちらほらと、家と家との間を透く、白砂に影を落して、日暮の打水うちみずのまだ乾かぬ茶屋の葭簀よしず青薄あおすすきおんなの姿もほのめいて
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
——でも、宿直とのいでない夕方には、彼の帰邸をおそしと待って、赤い門から玄関までの笹むらには、打水うちみずの露が光っていた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下草の様子、何やかや申分もうしぶんなく、鞍馬と御影の飛石とびいし敷松葉しきまつばから霜除けの飾縄かざりなわ打水うちみずを致し洗い上げてあります
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
打水うちみずをした庭の縁を二人三人の足音がして、白地の筒袖つつっぽ浴衣ゆかたを着た菊五郎が書生流に歩いて来ると、そのあとに楚々そそとした夏姿の二人。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
本郷元町ほんごうもとまちに土蔵構えのかなりな呉服屋があって、番頭小僧とも十人ほどの頭が見え、「山岡屋」と染め抜いた暖簾のれんの前では小僧がしきりに打水うちみずをやっていると、
一雨ひとあめに、打水うちみづに、朝夕あさゆふ濡色ぬれいろこひしくる、かわいた七月しちぐわつのはじめであつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
打水うちみづのあとかろ庭下駄にはげたにふんで、もすそとる片手かたてはすかしぼね塗柄ぬりえ團扇うちわはらひつ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
露地ろぢ打水うちみづなにかしてらう、先方せんぱう茶人ちやじんだから客はほかになければおまへ一人だから広間ひろまとほすかも知れねえが
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
辻の庭から打水うちみづ繁吹しぶききりがたちのぼり、風情ふぜいくははるサン・ジァック、塔の姿が見榮みばえする……風のまにまに、ふはふはと、夏水仙の匂、土のにほひ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
本通りから左の或る横町の薄暗い静かな街へ入ると、ぢきにその屋号の出た電燈が見つかつたので、私は打水うちみづをした石畳いしだたみを踏んで、燈籠とうろうと反対の側にある玄関先きへかゝつた。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)