“闌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
た43.6%
たけなわ27.3%
ふ15.5%
たけなは4.5%
タ3.6%
すが2.7%
たけな2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この世阿弥の「闌(た)ける」という言葉「闌(た)けかへる」という言葉は、さきの「峠を越える」という言葉と同じく重大なものであります。
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
天地はすでに夏に入り、江南の駅路(うまやじ)や、平野の城市はもう暑さを覚える頃だが、その山上も、一眸(いちぼう)の山岳地も、春はいまが闌(たけなわ)である。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
巡査が来た時には夜が闌(ふ)けていた。焚き火の傍(そば)に立って巡査は藤沢を訊問した。藤沢は、佐平に言ったと同じ理由を述べた。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
銀鞍(ぎんあん)の少年(せうねん)、玉駕(ぎよくが)の佳姫(かき)、ともに恍惚(くわうこつ)として陽(ひ)の闌(たけなは)なる時(とき)、陽炎(かげろふ)の帳(とばり)靜(しづか)なる裡(うち)に、木蓮(もくれん)の花(はな)一(ひと)つ一(ひと)つ皆(みな)乳房(ちゝ)の如(ごと)き戀(こひ)を含(ふく)む。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また一時(イツトキ)、盧堂(イホリドウ)を𢌞つて、音するものもなかつた。日は段々闌(タ)けて、小晝(コビル)の温(ヌク)みが、ほの暗い郎女の居處にも、ほつとりと感じられて來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
葉のへりが黄色く闌(すが)れたようになっている分を眼鏡を寄せて検べ見ながら、指さきで丁寧に撮みとっていられる。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
天気がよいのに、秋がすでに闌(たけな)わという時ですから、多摩川をさしはさんだ両岸の山々谷々が錦のようになっています。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)