“たけなわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.0%
31.9%
1.1%
駘蕩1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それを言えば愚痴ぐちになってしまう。彼は一言もそれについてはいわなかった。ただ、宴たけなわにして堪えかねて立上がり、舞いかつ歌うた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
応接室にては三郎へいげんと卓子テエブルを隔てて相対し、談判今や正にたけなわなり。洋妾ラシャメンかたえに侍したり。かれは得々としてへいげんの英語を通弁す。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
格子戸外そとのその元気のいい声に、むっくり起きると、おっと来たりで、目はくぼんでいる……おでこをさきへ、門口かどぐちへ突出すと、顔色の青さをあぶられそうな、からりとした春たけなわな朝景色さ。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と手がのびてたもとかれると春風今を駘蕩たけなわに、わらび独活うどの香に酔ったほど、馬は、うかうかと歩行あるき出したが、横畷よこなわて少しばかり入ると、真向うに樹立こだち深く、住静すみしずめた見事な門構もんがまえの屋敷が見える。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)