“駘蕩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たいとう93.5%
たいたう3.2%
たけなわ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
馬琴の家庭は日記の上では一年中低気圧に脅かされ通しで、春風駘蕩たいとうというような長閑のどかなユックリとした日は一日もなかったようだ。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
日光は直射するが、海より吹く軟風なんぷうのために暑気を感ぜず、好晴のもとに浮ぶあは青靄せいあいの気が眸中ぼうちう山野さんやを春の如く駘蕩たいたうたらしめるのであつた。
と手がのびてたもとかれると春風今を駘蕩たけなわに、わらび独活うどの香に酔ったほど、馬は、うかうかと歩行あるき出したが、横畷よこなわて少しばかり入ると、真向うに樹立こだち深く、住静すみしずめた見事な門構もんがまえの屋敷が見える。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)