“すが”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スガ
語句割合
89.4%
3.2%
1.3%
素枯1.3%
0.9%
末枯0.9%
須賀0.5%
0.4%
萎枯0.3%
0.1%
0.1%
0.1%
巣掻0.1%
梢枯0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
酢鹿0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の遁走の中途、偶然この寺の前に出た時、彼の惑乱した懺悔の心は、ふと宗教的な光明にすがってみたいという気になったのである。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
自分のやしきと見くらべて、なんと、この家のすがすがとよく調ととのっていることだろう。柱も黒く、べつに調度の飾りとてないが、なんとなくつやがある。
すがをスゲの外、スガと訓ますもんですから、それでガマズミの場合のスガに菅の字を借り用いたものに過ぎないであろう。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ただ彼には、もう若い感激は素枯すがれている。それと、情熱だけでものに当ることは、昔から嫌いなたちでもある。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
花ならばえ腐ったつぼみかす、葉ならば霜にびた葛の裏葉の、返して春に、よも逢う女ではあるまいと、不憫がる眼のすがめ方をするのはあまり面白いものではありません。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
同じ事を年に何度となく繰り返して行くうちに、自然じねん末枯すがれて来る気の毒な女房の姿は、この男にとってごうも感傷の種にならないように見えた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「は。……戦場より抜けてこれへ急使としておいでなされた下御所しもごしょ直義ただよし)さまのお旗本、上杉伊豆守重房、須賀すが左衛門、そのほか十騎ばかりの」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしは色香がすがれたようにも思われ、また元の処女おとめに戻ったようにも思われて、9415
利鎌とがまの動く毎に、サツサツと音してる草には、萎枯すがれた桔梗の花もあつた。お定は胸に往来ゆききする取留もなき思ひに、黒味勝の眼が曇つたり晴れたり、一背負だけ刈るに、いつもより余程長くかゝつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
だから海軍将校の言葉が呼び起した、美しい過去の幻も——仄暗い森の噴水とすがれて行く薔薇との幻も、一瞬の後には名残りなく消え失せてしまはなければならなかつた。
舞踏会 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
迷つた人心は造花にすがる。
それを文庫へしまって、さあ寝支度も出来た、行燈あんどう雪洞ぼんぼりに移して、こいつを持つとすッと立って、絹の鼻緒のすがったかさね草履をばたばた、引摺って、派手な女だから
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
巣掻すがいた蚕がさわぎ立ってゐるので、志津はおときと二人で目が廻る程せはしなく動きつづけた。廂の軒で条桑育にした蚕には、栗の木の枝を刈って来て、それにとまらせてはたいた。
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
是より度々たび/\此のうちへ丹治親子が遊びに参りますると、丹治も年四十五歳なれども鰥暮やもめぐらしでございますし、おかめも夫角右衞門が亡りまして未だ三十七という年で、少し梢枯すがれて見ゆれど
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
されば田原がことの果敢なき筋より出でゝ、媒のひとも我が身には嬉しからねど、運は目に見えぬ處にありて、天の機は我々が心に量り難きに、年來ねがひたる念慮おもひの叶ふべきすがかと
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
菊がすがれるころになると、新吉にわらわれながら、すそ安火あんかを入れて寝た。これという病気もしないが時々食べたものが消化こなれずに、上げて来ることなぞもあった。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すがだたみ八つ皮だたみ八つ
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
さあなんとなりしてくだされといて、そでとりすがりてもだゆるに、もとよりくゝはらぬつまこと離別りべつなどゝはとき威嚇おどしのみなれば、すがりてくを時機しほに、わがまゝ者奴ものめひじらけ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そが険呑けんのんな尾で以てすがれた岸を打つてゐた。
奥坐舗の長手の火鉢ひばちかたわらに年配四十恰好がっこう年増としま、些し痩肉やせぎすで色が浅黒いが、小股こまた切上きりあがッた、垢抜あかぬけのした、何処ともでんぼうはだの、すがれてもまだ見所のある花。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かにかくにすがひ去ぬべきさまもなく
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
この清日子、當摩たぎま咩斐めひに娶ひて生める子、酢鹿すが諸男もろを、次に妹菅竈由良度美すがかまゆらどみ、かれ上にいへる多遲摩比多訶、その姪由良度美に娶ひて生める子、葛城かづらき高額たかぬか比賣の命。