“すぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
75.4%
7.7%
穿6.2%
4.6%
3.1%
1.5%
1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
干すとすぼまる木場辺の渋蛇の目、死んだかしらの火事見舞は、ついおもだか屋にあった事。品川沖の姪の影、真乳まっちわたし朧蓑おぼろみの鰻掻うなぎかき蝮笊まむしざる
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「昨日レヴェズ様が、私に公然結婚をお申し出になりました。そして、その諾否だくひを、この二つで回答してくれと仰言おっしゃって……」と彼女は語尾をすぼめて、あまりにもあわただしい
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
浅葱あさぎの蛇目傘を、白い手で、菊を持添えながら、すっと穿すぼめて、顔を上げた、ぞっとするような美人があります。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
傘をすぼめながら一寸会釈して、寺の在処ありかを尋ねた晩成先生の頭上から、じた/\水の垂れる傘のさきまでを見た婆さんは、それでも此辺には見慣れぬ金ボタンの黒い洋服に尊敬をあらわして
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
是非先方むこうよりかしらを低くし身をすぼめて此方こちへ相談に来たり、何とぞ半分なりと仕事をわけて下されと、今日の上人様のお慈愛なさけ深きお言葉を頼りに泣きついても頼みをかけべきに、何としてこうは遅きや
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして、その拡がった裳裾を、傘のようにすぼめながら、如何にもはまり込んで行くかの体で、腰を落して行ったのだ。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と、最初は裳裾もすそが、あたかも真水であるかの如く、水面に拡がるのであるが続いてそれは、傘のようにすぼまって、オフェリヤは水底深くに沈んで行くのだった。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
昨夜見た時はぴんぴんしていた人のこの有様に、諸行無常生者必滅とでも感じたものか、鼻汁はなを手の甲へすりつけながら、彦兵衛も寒々と肩をすぼめていた。