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鬼気
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きき
ふりがな文庫
“
鬼気
(
きき
)” の例文
旧字:
鬼氣
呂宋兵衛の辞退をきくと、半助は、だれも
刑場
(
けいじょう
)
へでると、一
種
(
しゅ
)
の
鬼気
(
きき
)
におそわれる、その
臆病風
(
おくびょうかぜ
)
に
見舞
(
みま
)
われたなと、
苦笑
(
くしょう
)
するさまで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鬼気
(
きき
)
せまる鬼仏洞内での双方の会見は、お昼前になって、ようやく始まった。
尤
(
もっと
)
も明り窓一つない洞内では昼と夜との区別はないわけである。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
己は生れてからまだ一遍も、あんな不思議な、底の知れない愛嬌と魔力と
鬼気
(
きき
)
とを
湛
(
たゝ
)
えて居る
眼球
(
めだま
)
と云う物を見た事がない。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
もしや
空耳
(
そらみみ
)
ではないかと、叔父は自分の臆病を叱りながら幾たびか耳を引っ立てたが、聞けば聞くほど一種の
鬼気
(
きき
)
が人を襲うように感じられて
くろん坊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
では言水の特色は何かと云へば、それは彼が十七字の内に、
万人
(
ばんにん
)
が知らぬ一種の
鬼気
(
きき
)
を
盛
(
も
)
りこんだ
手際
(
てぎは
)
にあると思ふ。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
お濠を越えて吹き渡る夜風がふわり、ふわりと柳の糸をそよがせながら、なぜともなしに
鬼気
(
きき
)
身に迫るようでした。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ことに女主人公が死ぬところは
鬼気
(
きき
)
人を襲うようだと評したら、僕の向うに坐っている知らんと云った事のない先生が、そうそうあすこは実に名文だといった。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
読みさしの本を
傍
(
わき
)
に置いて何か考えていると、思わずつい、うとうととする拍子に夢とも、
現
(
うつつ
)
ともなく、
鬼気
(
きき
)
人に迫るものがあって、カンカン明るく
点
(
つ
)
けておいた筈の
洋燈
(
ランプ
)
の
灯
(
あかり
)
が
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
あらしはしかしいつのまにか
凪
(
な
)
ぎてしまって、あらしのあとの晩秋の夜はことさら静かだった。
山内
(
さんない
)
いちめんの
杉森
(
すぎもり
)
からは深山のような
鬼気
(
きき
)
がしんしんと吐き出されるように思えた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
迫る
鬼気
(
きき
)
に
呼吸
(
いき
)
がかたまって、二人はもう額に汗をかいている。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
わが船を
海気
(
かいき
)
か
鬼気
(
きき
)
かおそひ来て目の閉ぢられぬ旅順の瀬戸に
満蒙遊記:附 満蒙の歌
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
望遠鏡に、ケープ・ホーンの、
鬼気
(
きき
)
迫る山影がうつったかと思う間もなく、南米大陸は、ぐんぐんと後に小さくなって、やがて視界に没した。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
惨
(
さん
)
として、
鬼気
(
きき
)
、
読史
(
とくし
)
の眼をおおわしめるような生涯の御宿命をも、すでに、このときに約していたものであるから、語るを避けるわけにもゆかない。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしここまで来た上は、なにかを掴まないと引返すことは出来ない。
鬼気
(
きき
)
迫
(
せま
)
ると共に、大隅理学士の全身には、だんだんと勇気が燃え上って来た。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「イヤ、今の最後の声に
鬼気
(
きき
)
があった。誰か人が斬り殺されたぞ」
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
全くドームの中の
鬼気
(
きき
)
人に迫る
物凄
(
ものすさま
)
じさはドームへ入ったことのある者のみが、知り
能
(
あた
)
うところの実感だ。そこには恐しく背の高い半球状の
天井
(
てんじょう
)
がある。天井の壁も鼠色にぬりつぶされている。
空中墳墓
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“鬼気”の意味
《名詞》
気味悪く恐ろしい気配。
(出典:Wiktionary)
鬼
常用漢字
中学
部首:⿁
10画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“鬼”で始まる語句
鬼
鬼神
鬼魅
鬼子母神
鬼火
鬼灯
鬼門
鬼瓦
鬼婆
鬼界