馬鹿者ばかもの)” の例文
ゆゑ日本國中につぽんこくちう人民じんみん此改暦このかいれきあやしひとかなら無學文盲むがくもんまう馬鹿者ばかものなり。これをあやしまざるものかなら平生へいぜい學問がくもん心掛こゝろがけある知者ちしやなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
なにもそんな不思議ふしぎな効力はないとの結論で、たちまちその研究熱がめてしまって、今日こんにちではだれもその淫羊藿説いんようかくせつを信ずる馬鹿者ばかものはなくなった。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
すくなくとも喋舌しやべらないことをもつひど自分じぶんらがるもの馬鹿者ばかもの骨頂こつちやうつてろしいして此種このしゆ馬鹿者ばかものいまにチヨイ/\見受みうけるママなさけない次第しだいである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
にぎやかい往来とは云つても、なにかの馬鹿者ばかものにからかはれたのであらうと親たちは想像したので、弥助は表へ出てみたが、そこらには彼女かれを追つて来たらしい者の影もみえなかつた。
生まれつきの馬鹿者ばかもののゆえ、かかるものを切っては殿の刀のけがれ、いかがなものでしょうか、もう一度外のことをうらなわせて、それで当たらずば殿の前にて拙者せっしゃが真っ二つにいたしましては。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「フーラー博士よ。日本海軍の字引には——降伏——の二字なし。武田博士は絶海の孤島にあり。『最上』にはいないぞ。わが武田博士は、なんじらの弟子になるような馬鹿者ばかものにあらず。フーラー博士よ。汝こそわが偉大なる武田博士の弟子となれ。」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
半四郎と云此兄の半作は至つて穩當をんたう生質おひたちなれば是所謂惣領そうりやうの甚六とか云が如し然れども惣領のじん々々/\と世間にては馬鹿者ばかものの樣に云ども勿々なか/\にあらず既に諸侯にては御嫡子と稱し町人ならば家の跡取あととりまたざい家農家などにては遺跡ゐせき樣といふ惣領そうりやう遺跡ゐせきいふ道理もつともなりこれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
されば此度このたび一條いちでう日本國中につぽんこくちう知者ちしや馬鹿者ばかものとを區別くべつする吟味ぎんみ問題もんだいといふもなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)