トップ
>
饑渇
>
きかつ
ふりがな文庫
“
饑渇
(
きかつ
)” の例文
ガルールは一生懸命
宥
(
なだ
)
めにかかったが、
饑渇
(
きかつ
)
で
自暴自棄
(
やけくそ
)
になった九人の男は、そんな言葉を耳にもかけず、気色ばんでじりじりと詰め寄った。
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
ミルトンの
詩
(
し
)
を
高
(
たか
)
らかに
吟
(
ぎん
)
じた
処
(
ところ
)
で
饑渇
(
きかつ
)
は
中
(
なか
)
々に
医
(
い
)
しがたくカントの
哲学
(
てつがく
)
に
思
(
おもひ
)
を
潜
(
ひそ
)
めたとて
厳冬
(
げんとう
)
単衣
(
たんい
)
終
(
つひ
)
に
凌
(
しの
)
ぎがたし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
三日
(
みつか
)
は孫娘を断念し、
新宿
(
しんじゆく
)
の
甥
(
をひ
)
を
尋
(
たづ
)
ねんとす。
桜田
(
さくらだ
)
より
半蔵門
(
はんざうもん
)
に出づるに、新宿も
亦
(
また
)
焼けたりと聞き、
谷中
(
やなか
)
の
檀那寺
(
だんなでら
)
を
手頼
(
たよ
)
らばやと思ふ。
饑渇
(
きかつ
)
愈
(
いよいよ
)
甚だし。
鸚鵡:――大震覚え書の一つ――
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こういう雨が何度も何度も来た後でなければ、私達は
譬
(
たと
)
えようの無い烈しい春の
饑渇
(
きかつ
)
を
癒
(
いや
)
すことが出来ない。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そは人々なかりせば、我は或は
饑渇
(
きかつ
)
の爲めに
苦
(
くるし
)
められけんも計り難きが故なり。我が人々の爲めに身にふさはしき
業
(
わざ
)
して、恩義に
酬
(
むく
)
いんとせしことは幾度ぞ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
故にその愛は良人に非ずして、我が身にあり、我が身の
饑渇
(
きかつ
)
を恐るるにあり、浅ましいかな彼らの愛や、男子の
狼藉
(
ろうぜき
)
に
遭
(
あ
)
いて、黙従の
外
(
ほか
)
なきはかえすがえすも口惜しからずや。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
今から
素手
(
すで
)
で世の中に飛出す以上は
饑渇
(
きかつ
)
と戦う覚悟がなけりゃならぬ、なお鴎外、露伴らに紹介せよとの事だが、自分はまだ逢った事もない、たとい自分が紹介の労を取るにしたところで
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
饑渇
(
きかつ
)
の
攻
(
せめ
)
や、
貪婪
(
たんらん
)
の
羽蟲
(
はむし
)
の
群
(
むれ
)
もなにかあらむ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
とはに盡きぬはその
饑渇
(
きかつ
)
。
不可能
(旧字旧仮名)
/
エミール・ヴェルハーレン
(著)
こう云う粟野さんに芸術のないのは犬に草のないのも同然であろう。しかし保吉に芸術のないのは
驢馬
(
ろば
)
に草のないのも同然である。六十何銭かは堀川保吉に精神的
饑渇
(
きかつ
)
の苦痛を与えた。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
饑渇
(
きかつ
)
の
攻
(
せめ
)
や、
貪婪
(
たんらん
)
の
羽虫
(
はむし
)
の
群
(
むれ
)
もなにかあらむ
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
翌日も丸の内一帯より日比谷
迄
(
まで
)
、孫娘を探しまはる。「人形町なり両国なりへ引つ返さうといふ気は出ませんでした」といふ。
午
(
ひる
)
ごろより
饑渇
(
きかつ
)
を覚ゆること切なり。やむを得ず日比谷の池の水を飲む。
鸚鵡:――大震覚え書の一つ――
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
饑
漢検1級
部首:⾷
21画
渇
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“饑”で始まる語句
饑
饑饉
饑餓
饑死
饑餲
饑饉年
饑者
饑餓行進