顏面がんめん)” の例文
新字:顔面
おや/\とおもひながら、またツヽくと、はなあなさへ二ツひらいた。まさしく土偶どぐう顏面がんめんなのであつた。(第壹圖ロ參照)
うるしなかまなこかゞやく、顏面がんめんすべひげなるが、兩腿りやうもゝしたむくぢやら、はりせんぼん大胡坐おほあぐらで、蒋生しやうせいをくわつとにらむ、と黒髯くろひげあかほのほらして、「何奴どいつだ。」と怒鳴どなるのが、ぐわんとひゞいた。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれなが時間じかん氷雪ひようせつあひだわたつたのち、一ぱいつめたい釣瓶つるべみづそゝぐことによつてこゝよよい暖氣だんきあかつたあしかんずるやうに、僅少きんせうあるものかれ顏面がんめんひがんだすぢのべるに十ぶんであるのに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)