)” の例文
をぢが張る四つ手の網に、月さしていろくづ二つ。その魚のくちびるあかき、この魚の背の鰭青き、うつつともへばつめたく、幻と見ればらひつ。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
山々も見えず、湖水は一めんに白くらっていた。丁度好い引上げ時だと思って、帰りの自動車を帳場にいた男に頼んだ。
晩夏 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
あきのへにらふ朝霞あさがすみいづへのかたこひやまむ 〔巻二・八八〕 磐姫皇后
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
わづかに わづかにれるよくはれし野をあゆむ
秋の瞳 (新字旧仮名) / 八木重吉(著)
淡月うすづきらへり、さあれ
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
をぢが張る四つ手の網に、月さしていろくづ二つ。その魚のくちびるあかき、この魚の脊の鰭青き、うつつともへばつめたく、幻と見ればらひつ。
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あなあはれ、目にりて、火気ほけだちて、しろきかもや、しろきかもや、立ちても居ても。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
見のすがし雨のらひやひた揺れにしぶく小竹ささより蟹ころび落つ (五三頁)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
旅やどり、消ゆるばかりに一夜寝て寝ざめて見れば、霜しろしの柳、何一つ音もこそせね、薄墨の空のらひにただ白く枝垂しだれ深めり。枝垂れつつ水にとどけり。また白き葦にとどけり。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
旅やどり、消ゆるばかりに、一夜寝て寝ざめて見れば、霜しろしの柳、何一つ音もこそせね、薄墨の空のらひにただ白く枝垂しだれ深めり。枝垂しだれつつ水にとどけり。また白き葦にとどけり。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
な悲しみりてをぐらき我が眼にももろもろのりて見ゆるに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
架線橋つづきてらふ空ながら線路は涼し月明う照り 小田急線
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
日おもてのたも木にらふ夏がすみ植うる田も見ゆ早苗田も見ゆ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この夜ことに星きららかに麻布の台霜らし声らふなり
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
熔岩谷ラヴアだにはよくらふらし日が射してしばしば寒し妻とかがむに
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
架線橋つづきてらふ空ながら線路は涼し月明う照り小田急線
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
童女像しゆらひ今朝見れば手に持つ葡萄その房見えず
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
むきむきに雀啼きる枝の霜まだ陽は射さね散りらひつつ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あかあかと葦火あしびたくも小夜更けて汐らし沖つ千鳥よ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たださへや月の光はらふらし四つ手にぬる水の江の魚
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
春といへば青き鱗の杉の花粉にふきいでてうちらふめり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うちらし浅間はわかず雨雲のいやしき垂るるすぐろ落葉松からまつ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
わせ竹の若葉にらふ夏がすみ何か日中ひなかの音くるなり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
わせ竹の若葉にらふ夏がすみ何か日中ひなかの音くるなり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
らひつつ、動きつつ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)