金儲かねまう)” の例文
兵右衛門へいゑもんがかたにはかゝることゝは露しらず、本妻と下女げぢよ修羅しゆら苦患くげんをたすけんと御出家ごしゆつけがたの金儲かねまうけとなりけるとなり。
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
やすさんがれい發明はつめいや、金儲かねまうけのはなしをするとき、そのちんおごるのかもれない」とつて宗助そうすけわらつてゐた。會話くわいわはそれなりでつい發展はつてんせずに仕舞しまつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
自由には取扱とりあつかひ難く殊に只今たゞいま手元てもとには一兩の金も是無しと云と雖も三五郎は遙々はる/″\是迄これまで來りしゆゑ何卒くれよと申に段右衞門我等われらいまべつ金儲かねまうけも無れば是非もなしとことわるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
世才があればこんな混乱期にこそ世の中の随所に空洞くうどうを見つけて縦横に金儲かねまうけの手を打つこともできるわけだが、私のやうなものはハンコ屋にでもなるのが最上の思ひつきだつたのだ。
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
花見の趣向には違ひありませんが、こいつは矢張り金儲かねまうけの興行物ですよ。
然程さるほどに村井長庵はかく金儲かねまうけのつるに有付たりと心に悦び十兵衞の出府しゆつぷを一日千しうの思ひにてまつほどに此方は十兵衞娘文をつれて岩井村を出立し道中だうちうにても心をつけ足をいためな草臥くたびれなと種々いろ/\なぐさめつゝ日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)