里言りげん)” の例文
いかんとなれば冬の雪はいかほどつもりても凝凍こほりかたまることなく、脆弱やはらかなる事淤泥どろのごとし。かるがゆゑに冬の雪中はかんじきすかり穿はきみちゆく里言りげんには雪をこぐといふ。
山川村庄さんせんそんしやうはさらなり、およそ物の名のよみかた清濁すみにごるによりて越後の里言りげんにたがひたるもあるべし。しかれども里言は多く俗訛ぞくなまりなり、いましばらく俗にしたがふもあり。本編には音訓おんくん仮名かなくださず、かなづけは所為しわざなり。
ほるとはぶなの木にて作りたる木鋤こすきにてつちほるごとくして取捨とりすつるを里言りげんに雪を掘といふ、すでに初編にもいへり。かやうにせざれば雪のおもきいへつぶすゆゑなり。
るには木にてつくりたるすきもちふ、里言りげんにこすきといふ、すなはち木鋤こすき也。ぶなといふ木をもつて作る、木質きのしやう軽強ねばくしてをるる事なくかつかろし、かたちは鋤にひろし。
ほるとはぶなの木にて作りたる木鋤こすきにてつちほるごとくして取捨とりすつるを里言りげんに雪を掘といふ、すでに初編にもいへり。かやうにせざれば雪のおもきいへつぶすゆゑなり。
 同御製に「なけばきゝきけばみやこのこひしきに此里このさとすぎよ山ほとゝぎす」▲こしみづうみ 蒲原かんばら郡にかたとよぶ処多し。里言りげんみづうみかたといふ。その大なるを福嶋潟ふくしまがたといふ、四方三里ばかり
そりの大なるを里言りげん修羅しゆらといふ事前にもいへり、これに大材木あるひは大石をのせてひくを大持だいもちといふ。ひとゝせ京都本願寺御普請の時、末口五尺あまり長さ十丈あまりのけやきひきし事ありき。